クロノ

ひぃっ!?
また出た!?

紅茶

おっけー、任せて!!

クロノ

あぶなっ!?

紅茶

やばっ、大丈夫!?

クロノ

一応……って!
何してんですか!?

紅茶

瓦礫すっ飛ばしただけだよ、超音速で

クロノ

超音速ッ!?

現在。
洋館の物理方式もあったもんじゃない内部により、広大な中身を探索中の一行。
パーティは出会い頭に出てくる敵をぶち殺す外道手段を用いて、自衛を図っていた。
奥地に進めば進むだけ。比例して敵の数も増えていく。

チェシャ

ニャーーーーーッ!
フライング・ネコ・パーーンチッ!!

スリッ・ポー

やれ、フェネクス!

フェネクス

八つ当たりの突撃じゃぁーーーー!!
火の鳥舐めんなぐるぁーーー!

ストレア

アハッ

チェシャ

ニャハッ

フェネクス

……えっ?

ストレア

いただきまーす

チェシャ

いたきまーすっ!

フェネクス

ギィヤァアアー!?

ミスターアンゴーラ

俺たちも負けていられないな!
往くぞ、ロボタリアン!

ロボタリアン

ガッテン!

ミスターアンゴーラ

ツイン・メカラ!

ロボタリアン

ビィーーンムッ!!

紅茶

おー、綺麗なビーム
一体薙ぎ払ったねえ

クロノ

そこじゃないですよ今はッ!!

クロノ

フェネクス食べられちゃった!!

チェシャ

ぼり……ぼり……

ストレア

ばり……ばり……

ストレア

うーん、満足満足♪

チェシャ

喰った喰った!

……どさくさに紛れて、フェネクスが猫二匹に仕留められて食われていた。
真っ赤に染まる二匹の周囲。
鮮血で滴る二人の手。
これが猫の本性か!!
罪のない(かどうかは不明な悪魔)小鳥を仕留めて貪るのが、猫の真髄だとでも言うのか!!

ミスターアンゴーラ

ん?
いつものことだぞ?
知らねえのか、フェネクスってのは別名フェニックスと言うんだ

ロボタリアン

ヤツハ、フジミデス
クワレテモイッテイジカンデフッカツシマス

ストレア

まあつまりは食べてもまた生き返るから問題ないの
スリッポンからも許可得てるし

チェシャ

毎回美味しくいただいているあるよ

スリッ・ポー

まぁな……
あの堕落者にはこれぐらい必要だ
いつもサボっている罰なんだよ、新人
あと俺はスリ・ッポーだ

紅茶

気にしない気にしないっ!!

クロノ

そういう問題じゃ……

……前回仲間になったばかりなのに……。
もう裏切られて食べられるなんて……。
酷い、酷すぎる一行だ……。

ストレア

久々に食べたからか、足りないわ
もう一回食べようかな
スリッポン、お願い

チェシャ

ごはん♪
ご飯♪

スリッ・ポー

うむ……
一々面倒だ、もう好き勝手に弄べ
あと俺はスリ・ッポーだ
スリッポンではない

フェネクス

ひぃぃぃーーーーーー!!
また食われるーーーーー!!
薄情者ォーーーーーー!!

ストレア

……じゅるっ

チェシャ

ニタァ……

フェネクス

ギャアーーーー!!

復活したらしいが早々呼び出されてまた餌食にされるフェネクス。
かわいそうだが、これが自然の摂理なのだそうで。

クロノ

悪魔だ……
このダブルキャットの方が余程悪魔だ……

ミスターアンゴーラ

まぁ、そういうもんだ
悪魔だからいいんだよ、悪魔だから

スリッ・ポー

ま、うるさいがな

紅茶

そりゃ同感

ロボタリアン

アゲクニキタナイデスシ

好き放題言っている。
身内だろうに、なぜそこまで言えるのだろう。
死ななければ何をやってもいいというのか!!

ストレア

ぼり……ぼり……

チェシャ

ばり……ばり……

クロノ

…………

いや、違う。
悪魔だから何をしてもいい?
それはおかしい。
死なないから、失うものがないからいい?
それもおかしい。
違うだろう。
取り敢えず、やめさせるかあのダブルキャット。
……かくなる上は、あのオマジナイで!

クロノ

…………すいません

ミスターアンゴーラ

ん?

クロノ

いっかいだけ、ほんき、だすよ?

紅茶

えっ?

紅茶

うぇ!?
クロノさんっ!?
なんで地響きさせてんの!?

ロボタリアン

コレハ……!?
クロノサンニ、コウエネルギーハッセイチュウ!
ミナサン、キケンデスッ!!

スリッ・ポー

この波動は……
フェネクスの遺した魔力を掻き集めているのか!

紅茶

そんだけじゃない!
PSYの力も集めてる……
何が起きてるのさ!?

ミスターアンゴーラ

あー……そいえば、掲示板にツッコミ暴走用のおまじない乗っけておいたっけ……
もしかしてそれか?

能天気に言うアンゴラ。
彼が言うのは、自分が追い詰められているとき、ストレスでの発狂覚悟で行うオマジナイ。
それをすると、悪魔になれるらしい交霊術? の一種だとか。

ストレア

ごり……ごり……

チェシャ

バリ……バリ……

夢中で貪るダブルキャット。
そこに殺気を纏わせて進むクロノ。
禍々しい黒いオーラを放つ少女のシルエットは……進むたびに人から離れて、やがて……。

バケモノへと変貌する。

紅茶

……止めたほうがよくない?

スリッ・ポー

無理だな
あの魔力……バルバトスに匹敵する
触れれば、こちらも壊れるぞ
上級悪魔ですら正気を保てまい

ストレア

チェシャ

いい加減にしてください、ね……?

なんて掠れた声で言うクロノ。
その姿にダブルキャット、がたがた震えていた。

そして始まる恐怖のツッコミ暴走オシオキタイム。
キャットの悲鳴が響き渡る。

仲間達は小休憩を兼ねて、その光景を黙って眺めていた。

VS仲間たち? (ぷっつん)

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