5月14日

午後は暇だったから、にーのをうちに呼んで遊ぶことに。
最近はコンビニやスーパーでお菓子の類を見ると、「これにーの喜びそうだな」とつい買ってしまう。
そんなわけで有り余るほどのお菓子を食べて、それから漫画を読み始めた。

犬伊

にーの、何読んでるの?

新乃

・・・

にーのが読んでるのは、アニメ化もされているSFバトル系の漫画だった。
戦略性があるし、設定も凝っていて俺もお気に入りの作品の一つだった。

犬伊

それ面白いよね
あ〜、なんか俺も読みたくなってきた

新乃

・・・

犬伊

そうだ、にーの

俺はベッドに横になり、にーのを呼び寄せる。

新乃

・・・

犬伊

にーの捕まえた

新乃

・・・

不思議そうにしながらもベッドに腰掛けたにーのの腕を掴んで抱きよせる。
にーのはあっけなくベッドに倒れこんだ。

犬伊

これなら一緒に読めるだろ

俺はにーのを横向きにさせて、後ろから抱きしめるようにした。
一緒に読める、なんて全くの口実でしかないけど。

犬伊

にーの、今日も甘い匂いしてる

犬伊

にーののペースで読み進めていいよ

漫画なんてにーのの頭でほとんど見えなかった。
それでも俺に気を使ってか、漫画を読み進めるペースはすごく遅くなった。

犬伊

なんかいいよな・・・こういう感じ

犬伊

にしても、読み進めるの遅いなあ・・・

犬伊

心なしか、にーのの耳が赤いような・・・

犬伊

もしかしてにーの、ドキドキしてる?

新乃

・・・

にーのを無理やり振り向かせると、顔を真っ赤にしていた。

犬伊

可愛いすぎる

犬伊

安心してよ、にーの
俺もドキドキしてる

新乃

・・・

俺はにーのの手を取り、俺の胸に当てた。

犬伊

俺のドキドキ、伝わる?

新乃

・・・

にーのは頷きも、首を振りもしなかった。
困ったように目をキョロキョロさせる。

犬伊

そっか、もしかしてにーのも同じくらいドキドキしてて、わかんないのかも

新乃

・・・

今度は頷いたにーの。
俺はにーのの胸にそっと手を置いた。
にーののドキドキが、普通より早いような気がした。

犬伊

にーの

新乃

・・・

にーのがすごく愛しくなって、名前を呼んだ。
すると恥ずかしがったにーのは背中を向けてしまった。
そんな仕草も可愛い。

犬伊

ねえにーの、何もしないからこっち向いてよ

犬伊

にーの?

犬伊

にー・・・ええ?!

新乃

・・・

振りなのか本気なのか、にーのは目をつぶって眠っていた。
5秒で寝れちゃうタイプなの?

犬伊

・・・ま、にーのにはまだ早いか

新乃

・・・

寝顔が可愛いので、そのまましばらく眺めることにした。

つづく

漫画読めよ。

犬伊

また見てね

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