ある日の講義終了後、俺は母校である「けやき商」のパソコン部の部室を訪れていた。
ある日の講義終了後、俺は母校である「けやき商」のパソコン部の部室を訪れていた。
こんにちは!煉先輩!!
真琴か!
美琴から聞いてはいるが、元気そうだな!!
せんぱ~い!
もう来てたんだ~
ああ!
今日は午後の講義が休講になったもんだから、少し早く来れたんだよ!
そう言えば、真琴は2月の検定で日商簿記2級に合格したそうだな!
はい!
「出題範囲」が変更になる前にって思っていたので…
大学の簿記の講義でも、出題範囲の改訂については、教授が語っていたよ…
美琴は、これから日商2級取ろうとしているんだよな!
はい!!今もデート中に教えてもらったりしてるしね♪
それにしても、去年(2015年)と、今年(2016年)で、一体どんな風に出題範囲が変わったんだろう…
2級の範囲は1から戸山先生と先輩に教えてもらっているから問題ないけど、去年取った3級の範囲については、知っておく必要があるかも…
ちょうど、それについて今日の午前の講義で教授が語っていたから、2人に教えておこう!
は~い!
ありがとうございます!!
追加された論点
伝票の集計・管理
これは、今まで2級で出題されていた内容が3級に降りてきたもので、今後は伝票の起票についてだけでなく…
伝票の集計(仕訳集計表等)についても出題されることになったんだ!
これに加えて…
削除された論点①
仕入伝票・売上伝票の削除
実務上「入金」「出金」「振替」の「3伝票制」に、「仕入」「売上」を加えた「5伝票制」を採用する企業が少ないと日商は判断し…
「仕入伝票」「売上伝票」を出題範囲から削除し、「3伝票制」のみの出題としたんだ!
つまり…
「3伝票制」での「伝票起票と集計」が出題される!!
ということですね!
そういうことになるな!
個人的には「仕入伝票」と「売上伝票」は好きだったんだけどなぁ…
まぁ、でも「仕入伝票」と「売上伝票」は、基本的に全て「掛取引」の記帳を原則としているから、もし受取手形を受け取って商品を売り上げた場合なんかは…
売上伝票で…
売掛金/売上
って仕訳をやって、すぐに振替伝票で
受取手形/売掛金
って仕訳をやらなきゃいけなかったから…
伝票を2枚使って2回仕訳を行う必要はなくなった、という訳だな!
それは、受験者には朗報ですね!!
結構、こういった類の伝票の出題が、第4問あたりで行われていたから、真琴に言う通り朗報と言えそうだな!
まぁ、新たな出題として「伝票の集計」が入っているから、問題集とかで集計方法については学んでおく必要があるだろう。
さらに、伝票の「仕入伝票」「売上伝票」以外にも削除された論点がある。
削除された論点②
為替手形
為替手形って、登場人物が3人いる、面倒臭くて間違えやすい取引ですよね!!
「為替手形」も、実務ではほとんど使用されていないことから、今回の改訂で出題範囲からは削除されたんだ。
また、2級で出題されていた「荷為替手形」は外貨建取引に関する項目として、1級の出題範囲とされた。
しかしながら…
全国商業高等学校協会(全商協会)の簿記実務検定の2級や、全国経理教育協会(全経協会)の簿記能力検定では、出題範囲から抹消されていないから、全く学習しなくて良いというものではないようだ。
ただ、日商3級や2級を学習する上では、為替手形の知識は「今後は不要」ということですね。
そういうことだな。そういう意味では、受験者にとって「朗報」と言えるだろう。
日商1級や他の協会の簿記検定を受けようとする場合は、為替手形の知識も必要ということですね!
最後に、次の論点が2級に移動となった。
2級に移動した論点
有価証券の時価評価
今までの日商3級では、決算整理事項として、有価証券の時価評価による「評価益」「評価損」の計上が出題されていたが、この処理が2級に移動することになった。
よって、決算整理事項で有価証券の評価替えを行うという出題は、2016年からは行われないということになる。
「日商簿記が改訂される!!」って、世間が大騒ぎになっていたみたいですけど、3級については、むしろ出題範囲が狭まった感じですね!
ただ、残念ながら2級の出題範囲が大幅に改訂されてしまったから、今年の受験者からは新しい内容も覚えなきゃだから、大変かも知れないな…
そんなことに負けていられません!!
私、お姉と先輩に追いつくため、頑張ります!!
俺も精一杯教えるから、頑張って日商2級合格を目指してくれ!!
はいっ!!
E N D