異世界ならついてても良いんじゃない

俺の嫁は付いている!
 -3-














リリーが待ち合わせに選んだのは、以外にも池袋だった










俺にとっては池袋はけっこうおしゃれな街という認識で、毎日のようにMMORPGに出入りしているリリーが待ち合わせに選ぶとは思ってなかったんだ












待ち合わせ時間を早く到着した俺は、すこし考える時間が有り、その時間が俺にいろいろと考えさせてくれた












リリーはどんな子だろうか?












中の人の性別が男ということはネカマだよなぁ?












もしかして汚いおっさんだったらどうしよう?













頭のなかを巡るのは、主にリリーが男だったと言うことからくる想像が主だった












そりゃ、この間まで好きで好きでたまらなかった相手だ、それがこんなカタチで正体を明かされたのだ、まずソコを中心に考えてしまってもおかしくはないだろう











根拠の無い不安が頭のなかをよぎり、さらにもう一つの不安が、頭のなかを同時によぎり始めた













これは、先ほどの不安と、同じぐらいに重要な不安だった













リリーは何故、俺をリアルに呼び出したんだ?













しかしこの不安に対する考察には、それほど長く留まる事は出来なかった











なぜなら、俺の名を呼ぶ声がしたからだ












ナオトくぅ~ん










え?

甘い女の子の声で俺を呼ぶ声がする













俺のそのキャラネームを知っているのはゲーム内で関わりのある人間だけだった

しかし、最近関わりのある奴と言ったら数人しかいない、えーっと、宿屋の主人と、武器屋のオヤジと、、、

いやいや、殆どがNPCじゃないか、もしかして俺って友達が少ないのか?これは結構ショックだったが、ちょっと知り合いになった奴らでも、殆どが男キャラのはずだ










そもそも、ナオトの俺がここにいるのを知っている者は1人しかいないじゃ無いか












ん?と言う事は、もしかして、リリーか?!













いやでもリリーは性別男だったはず、じゃぁ違うのか?もしかしたら名前が同じ人間を探している知らない人かも












戸惑っていると、声がさらに1音大きくなった










えーっと、シャンバラにお住いのナオト様は、いらっしゃいますでしょうか〜?










やはり俺のことだった!いや、よしんば何百%の1違うとしても、この発言は恥ずかしい、早く止めさせないと、俺はとっさの判断で、いや焦った上での行動で、その声の主を探し始めた










まだ声がする、今なら間に合う、ゲーム内での名前だ、知らぬふりをしてこの場を立ち去って仕舞えばなんら恥ずかしいこととも関係がなくなる











そもそも、シャンバラはIDさえ違えば、同じ名前が何人いても構わない仕様だ、うん、ゲーム内的にも大丈夫だ











ここで、俺はふと思った、

俺って、なんでこのゲームをやっているんだっけ、、、











俺がシャンバラをやり始めたきっかけは、ネットサーフィンをしている時に、たまたま見かけた縦長のデカいバナーを見たためだった











そこに描かれているキャッチャーなキャラクターを見て、少しだけ、ほんの少しだけやってみようかなと思ったんだ











それでも、お試し感覚で、面白くなかったり、自分に合わなかったらすぐにやめるつもりだった












そして暫くして、プレイしている時に知り合いも出来ず、若干作業ゲーと化してきて、そろそろ止めようかなと思った時に、あのお詫び装備が来た











装備のおかげで強くなった気がして、最後に俺の力を試そうと、森にドンドン踏み込んでいって、、、でも、自分の強さを確かめてから、本当に本当に、やめるつもりだったんだ










なのに、何でやめなかったんだろう?俺は何でやめなかったんだろう?












はた迷惑な声の主を探しながら俺はその答えを思い出した、うん、もう俺は知っているんじゃ無いか



















リリーがいたからだ








ナオト

リリー!!

俺は恥ずかしげもなく、その名を呼びながら探し続けた

他の名前なんて知らない、リリーとだけしか












そして、俺のゲームネームを呼ぶ声がピタっと止まって、俺の元に一直線に近ずく人影が














リリー

あ、もしかして、あなたがナオトくん?

リリーだ!

やっと会えた!











あぁ、これが俺の好きだった、ん?あ、あれ?











ナオト

え?エ?、お、女の子??

リリー

初めまして、ナオトくん、ボクがリリーだよ











2人して昼の池袋を歩く、うん隣にいるの、確かに女の子だよなぁ?アレ?たしかリリーは???







リリー

どうしたのーボクの事ジッと見つめて、そっかーボクが可愛すぎて目が離せなくなったんだ〜、ふふふー、僕って罪作りだなぁ

うん!この性格、間違いなくリリーだ











そもそも、ゲームをの中のリリーと髪の色と装備って言うか、服が違うだけで、容姿と髪型はソックリだ












元々シャンバラは、アバターが物凄く細かく設定できるのが売りの1つなので、ゲーム内のキャラを自分にそっくりにするユーザーが多いことでも知られている











しかし、ここまでソックリにアバターを設定していたとは、恐れ入る

ナオト

えっと、リリーさんで良いんですよね?

リリー

やだなぁーナオトくんらしくないよー、何でそんなに他人行儀なの?いつもの調子で良いじゃん、ね、いつもみたいにリリーって呼び捨てにしてよー

うーん、どう見ても女の子だよなぁ?うーーん













池袋から電車に乗って渋谷駅で降り、道を二人で歩きながら、カイラなんて洒落た場所で、2人でオムライスなんか食べたり、だいぶ歩いて中目黒なんかで、COWBOOKSで古本を物色したり











俺も本が嫌いじゃないから、30分はいたかなぁ

リリー

ねーねー、ここって、古本のお店って気がし無いほどオシャレでしょ、よく来るんだー

ナオト

へー、アンティークな机まであるんですね

リリー

へへへ、そだよー












その後、一瞬リリーの表情が微妙に変化した気がした、でも、すぐに笑顔になって






リリー

ね、次いこ、今日は1日乗車券持ってきたんだよね、約束してたもんね、今日はこれで周りまくるぞー

ナオト

は、はい










その後は電車で途中下車しながら白金台、浅草、飯田橋、リリーの知っている店は俺が普段くることもないようなオシャレな店が多かった











多分1人でなら、その雰囲気に疲れ果てていただろうけれど、その日は何故か楽しくって仕方がなかったんだ













一緒にいっぱい食べて、いっぱい遊んで、、、












そっかー、俺のいるこの街は、普段通過駅でしかないこの街たちは、こんなにも楽しいところだったんだ、普段の休みは秋葉原ぐらいしか行かなかったからなぁ










んーっと、もしかして、今、俺って、普通にデートしてる














飯田橋から徒歩でイロイロ廻ってて、気がつくと俺たちは小石川後楽園の近くまで来ていた、東京ドームに隣接するようにある公園で、まぁボチボチ大きいところだ












と言っても、近くにはもっと大きい公園はいくらでもあるので、そこまで存在感は無い、はい、正直マイナーです、光圀公が完成させた公園だってのになぁ、トイレも豪華なんだよ!何と戦ってんだ俺は











でもここなら俺もたまに来るので、まぁ、やっと知ったところに来たかって感じでホッとする












自然が豊かな公園だけれど、ここ、最近やたらと工事していて、せっかくの自然の音が台無しなんだよなぁ


公園に一歩でも入ると、気にしなかったら気になら無いほどの音なんだけれど











ナオト

ね、入ってみます?

今日一日中主導権はリリーが持ちっぱなしだったんだけれど、今度は俺から誘うことができた、このままじゃ男としてなんかカッコ悪い気がしたんだよ


今度は俺のターンってな、俺ってバカか











予想どうりリリーはこの公園にはあまり来てなかった、隣の東京ドームには結構なんだかんだ言って来てたみたいだけど











園内を2人で歩きながら、大堰川、円月橋、白糸滝、蓬莱島、異形燈籠、この公園のありとあらゆるトコロを紹介しまくった、この季節は本当に木々がイキイキしていて夜も公園の灯りでほんとうに綺麗なんだ






リリー

はぅ、異世界に来たみたい

ナオト

もうちょっと早い季節なら、枝垂れ桜や珍しいウコン桜が咲き誇り、すごく綺麗なんですよ

リリー

はぅ

ナオト

水戸光圀、あ、水戸黄門さんって呼んだほうがわかりやすいかな、その人が明から朱舜水って儒学者を呼んだんで、ちょっと中国っぽい公園ですけど

リリー

うんうん

ナオト

その考えで、この公園は小さい世界になってるんですよね、ほら、ここが蓬莱島です









蓬莱島は小石川後楽園のほぼ真ん中に位置する公園の3分の1を占める大きな池(この名前は俺も知らん)の中央に浮かんでいる小さい島だ












遠くからみるとじっさいに島が浮いているように見えるから不思議だ、まぁそう造ったんだろうけど










リリー

ふぁぁ、世界だ!

リリーはとても不思議な感想を述べ、予想を超えた喜びようを示してくれた

おれはちょっと自慢気な気持ちになった、俺の公園じゃないのにな、おかしな話だが、リリーの嬉しそうな顔を見たら、まぁ、ちょっとな











そして、その幻想的な光景から少し経った時、リリーはそれまでの嬉しそうな顔から一変した真剣な表情で、俺の方を向き言ったんだ

俺の勘は古本屋でのリリーの表情が微妙に変化した理由がわかる時が来たと告げた

リリー

ねぇ、ナオトくん、何で今日はそんなに他人行儀な口調なの?いつもの様にリリーって呼び捨てじゃ無いの?変だよ










元々、ゲームの世界と現実の世界を区別している人の方が多く、ゲームのオフ会では、ゲーム内の口調とは違う人が殆どだ










でも、今回の事はそれとは違う意味があった、そしてそれをリリーは敏感に察知したんだ

ナオト

え、と、この公園の近くに小さい公園がありますんで、そこで話をしても良いですか?













小石川後楽園に隣接する様に、ほんのささやかな公園があった、後楽公園と言うものだ、ここは殆どが砂場の小さな公園、主に子供が遊ぶブランコや滑り台などの遊具が設置してある所だ











俺は滑り台の階段に2人並んで座りながら話し始めた

ナオト

俺、わかん無いんですよ、この前リリーさんは自分の事男だって言ったんですよね、でも、目の前にいるリリーさんは、どう見ても女の子で

ナオト

俺、からかわれてるんですか?今日一日中とても楽しかった、でも、そのことがずっと頭にあって、どう接して良いかわからなくて、もしかして本人じゃ無いかもって、考えた時だって一瞬ありました

ナオト

でも、目の前で喋ってるのはいつもの通りのリリーさんだし

ナオト

俺の事からかって遊んでるなら、そう言ってください、それなら俺ももう諦めます、リリーさんが好きだから、だから、からかわれてるのなら凄く辛いんです

ナオト

俺の事からかってるんですよね

リリー

そんなこと無いよ!何言ってんの?カイトくん!

ナオト

だって、じゃ何で、男だって嘘ついたんですか、俺、遊ばれてるんでしょう?

リリー

……本当に男だよ

ナオト

嘘だ!もうそんなこと言ってからかうのはやめてくれ!

リリー

嘘じゃ無いよ











そう言って俺の脚にリリーはまたがり、そっと乗ってきた








ナオト

な、な、何を










正直その時の俺は、凄くダサい姿を見せた気がする、その突然の行動に狼狽して、どもり、それしか言えなかったからだ










リリーはそんな俺にそのままの姿勢でにじりより、今までに聞いたことの無い様な静かな声でこう言った







リリー

嘘じゃ無いよ、ほら、ナオトの脚、感じるよね、ボクの足の間にある、この柔らかい膨らみ、分かるよね

ナオト

!!!!
















本当だった、リリーがまたがるその俺の脚に感じるふんわりとした膨らみ、俺はこれが何かを知っている、彼女はその容姿と声からは想像でき無い性別だった








ナオト

あ、あわわわわ

















俺のダサさも頂点に達していた、俺は証明された真実に只々混乱して声にならない声を上げるだけだった












リリー

ね、本当に男の子だったでしょ、ナオトに何も嘘なんかついちゃいないよ、からかってもいない、ただ、今日は本当のナオトに会って、そして本当の僕を知ってもらいたかっただけなの

ナオト

な、なら、いや、でも、俺は男と知った上でリリーとは付き合えない、いくら好きでも、む、無理だ















狼狽しながら、なけなしの勇気を振り絞った気で、本当に残酷なことを、俺はリリーに言ったんだ、だって、この出来事は俺の常識を超えすぎているから












一瞬、リリーは泣くのかと思った、時が止まって、リリーの顔は辛そうになり、下を向いたままだったからだ













でも、すぐに俺の方を向き、リリーは俺の手をそっと取った












リリーは太ももの半分までの丈のあるニーソックスをはいていて、そのニーソックスをガーターのようなもので止めているようなものがリリーのスカートの下の衣装だった










リリーはそっと取った俺の手をスカートの下のニーソックスの上、つまり直接肌を露出させている部分に導いた











俺を真剣に見つめながらリリーはこう言った

リリー

ほら、とても熱くて、そしてとっても柔らかいでしょう












俺は混乱しながらも、今まで手にしたことのない、そのマシュマロのような感触を手に感じ、鼓動が少しづつ高まってきたのを感じた












その位置は、もう少し上に手を伸ばせば、リリーのショーツに手が届きそうなほど接近していて、それも少しづつ俺の理性を狂わせていった












本来の性別はともかくとして、見た目はどこからどう見ても女の子にしか見えない相手のスカートの中に手を入れているのだ

これで、おかしくなら無い訳がない
















高まり行く俺の鼓動はきっと、リリーにも聞こえているんだろう












リリーはそんな俺の手を、そっと太ももから引き剥がし、そして、上着のブラウスの中に滑り込ませ、今度はブラもつけていない裸のままの胸に優しくおいた











そして、またアノコトバヲイッタ

リリー

ほら、とても熱くて、そしてとっても柔らかいでしょう











俺の鼓動は更に早くなった












手に伝わる感触、その全てのものが初めてで、そしてそれは優しく熱く、俺はジンワリと手に汗をかいてる錯覚に陥った












多分俺は俯いて、真っ赤になっていたんだと思う












リリー

ボク、おクスリとかやってないけど、わかる?すこーしだけ、胸、膨らんでいるんだよ











それは、リリーが言う通り、本当に少しだけだけれど、紛れもなく膨らみがあって、その柔らかさは先ほどの手に触れた所より更に柔らかく、俺の手を侵食してくるようにすら思えた











柔らかすぎて消えゆくような感覚、その儚さが俺の胸を今つき刺し出した












リリー













それは、彼女の存在の危うさ、儚さ、にも感じられ、抱きしめたい衝動にかられる程のものだった














でも、それはささやかな衝動













今の俺を支配しているのは、この鼓動、そして俺の顔を覆い尽くす毛細血管の膨張













俺の頭はすでに混乱を超えて、クラクラと朦朧の海を漂っていた











そんな自分の体の状況に、翻弄されていた時リリーが、俺の足の間に足を絡ませ、身体ごとにじり寄ってきた














俺の足に当たるふんわりとした柔らかい感触に、一瞬理性を取り戻しそうになったが、それは、全く意味をなさないものだった











リリーは、俺の顔に唇を近づけてきて、一言いった











リリー

ボク、ナオトの事がダイスキなの
























柔らかく、良い匂いがした、その言葉と顔にかかる甘い吐息が俺の心の奥底にあったらしい、粉々に砕けそうな理性を1発で吹き飛ばした











一瞬俺の手の中にあったのは、彼女の身体

それは柔らかく、折れそうなほど細く、カヨワカッタ












そして、俺の唇に良い匂いのする柔らかいものが触れ、開き俺の舌には小さく柔らかいものが当たり、俺はそれを赤子が母親かの胸かららミルクを飲むように夢中で吸っていた












全てのものが俺の理性を崩し、気づいた時には彼女を押し倒し、足を絡ませ、彼女の全てに俺を刻み込むように身体中で彼女を貪っていた













こいつはサキュバスだ、きっとサキュバスに違いない、いや、男だからインキュバスか?もうどちらでもいい












俺が罠にかかって落とされたのでもいい

























これは、俺の女だ


























それからは、どこをどう歩いたのか分からない














気付いたら天井が見えた、俺は柔らかいものの上に寝ていて、身体は布団にくるまっていた、妙にスッキリとした気分になっていたが、股の間は何か湿っぽく、、、










そして、俺の横には、肩をはだけさせた、リリーが目を閉じて横たわっていた、、、













俺は全てを理解した













意識がはっきりしてきて、記憶の中に残っているものが頭に浮かんできた












俺が覚えているのは、ふんわりとした感触と、俺の中心が締め付けられるようなキツイけれどとてつもなく気持ちのいい感覚


























そして今も身体に残る、リリーの甘い芳香

























そう、俺は一線を超えてしまっていた、あのまま、強烈な欲望のまま












横を見ると、リリーはスヤスヤと寝息をたてていて、乱れた髪が妙な色香を漂わせていた













だけれども、その顔はまるで赤子のような無垢な表情を見せていた











何もかも安心しきったような顔を見ると、無性に愛おしくなり、彼女の顔にそっと顔をつけて、彼女の柔らかさと温かみを味わった











俺は後悔はしていなかった、そして、この子は俺が守ってやりたいと、その静かな優しい空間の中で思った






















それからも俺たちはシャンバラの中で冒険を繰り返し、そして時々現実空間の中で出会って、2人の時間を楽しみ、時々身体を重ねた












そして、5月のある日、日本の気温が予想を超える暑さを記録した中、俺たちは、またシャンバラの中にいた











その日、普段のリリーのウザ可愛いがピッタリの個性はそのままに、敵を制圧しながら俺に話しかけていた

リリー

ふふふー、結局ナオトはボクの可愛さに負けちゃったねー

ナオト

ハイハイ、そういう事にしておきましょうかね














リリーがニンマリしながら悪い顔をして言う













リリー

そんなこと言ってー、ボクを押し倒して、無理矢理ホテルに連れ込んでー、スカートの中に手を入れてー、ショーツを引き下ろした時の目は、ほーーんと野獣だったよー

ナオト

わーーーーーーー!わーーーーーーー!やめろ!ヤメローーーーー


思わずほんとーにプライベートチャットか確かめちまったじゃ無いかよ













全く、こいつの正体は本当にサキュバスじゃ無いかと疑いたくなる



















しかし、そんな所も可愛いと思ってしまう俺が、俺が憎いっ!











ナオト

つ、次はフィールドボスだからな!気を抜くなよ!













ああ、照れ隠しで言ったとも、このままじゃまた真っ赤になってリリーにからかわれちまう












でもリリーは、そんな俺の気持ちを見透かすように

リリー

ふーん

と、ニヤニヤしている







へぃへぃ、俺の負けですよ、あぁ、まーーーけ














そんな時だ、周りが一気に暗くなった











俺はフィールドボス出現のエフェクトかと思ったが、よく考えてみれば今まで戦ってきた時も、こんな演出はなかった











地面がグラグラ揺れる

鳥がざわめく音がする

ナオト

リリー大丈夫か!

リリー

うん、ボクは平気!でも何なの?これ














次第に大きな揺れになっていき、立つことも出来ないようになる寸前で、それは止んだ














その時、地面から無数の光が現れ、空に待って登って行く

まるで、引き込まれていくように、、、

リリー

え?え?

リリーが珍しく動揺している









俺は心配になって、彼女のアバターの側に急いで俺のアバターを寄せた

その瞬間























モニターの前に座っている俺の目の前が突然明るくなりだし、俺の部屋全体を覆う













理解しがたい状況に戸惑っていると、身体がふわりと浮かび上がったような感覚が襲う

明るくて前が見えない!











俺は目をギュッと閉じた、、、





























リリー

イッターい

リリーの声がする!?音声チャットはこのゲームでは、実装されていないはずだ














そして、俺が今まで座っていた椅子の感触がなくなり、ザラッとした変な感触がある

















そんな中、強烈な光が収まり少し暗くなった









そして、俺はそっと目を開けた







まず最初に俺の目の前に最初に見えたものは、薄暗い中、目の前を覆わんがばかりの木々だった






















続く......




俺の嫁は付いている -3-

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