5月6日

昨日は暖かい日和だったけれど、今日はどこか空気が冷たい。
そんなことを思っていると、帰り道、雨に降られてしまった。

犬伊

わ、結構降ってきた
にーの、走ろう

新乃

・・・

俺はにーのの手を掴んで走り出した。
息を切らして、高架下まで走り、二人で雨宿りした。

犬伊

ふう、結構濡れちゃったね

新乃

・・・

二人とも傘を持ってないなんて。
お互い頭から足の先までぐっしょり濡れてしまった。

新乃

・・・

犬伊

大丈夫?
タオルとか持ってる?

新乃

・・・

可愛らしいくしゃみをしたのはにーのだった。
身体が冷えて風邪なんてひいたらかわいそうだ。

新乃

・・・

犬伊

頭だけでも拭いとこう

カバンから出したタオルをにーのの頭にかぶせてワシャワシャと髪を拭いてあげる。
にーのは俺より5センチくらい小さい。

新乃

・・・

犬伊

寒くない?

新乃

・・・

それにしても、雨はなかなか止まない。
もう少し弱まってくれたら、走って家まで帰れるけど。

新乃

・・・

犬伊

・・・俺もくしゃみ、うつったかな

今度くしゃみをしたのは俺だった。
今日は上着を着てこなかったから、俺も体が冷えてしまったようだ。

新乃

・・・

犬伊

ありがとう、にーの

にーのが頭にかぶったタオルの端を掴み、俺の顔を拭いてくれた。
水はまだしたたっているけれど、なんだか暖かい気分だった。

そうこうしている間に、雨はすっかり止んだ。
その隙に俺たちはまた走って、家まで帰った。
にーの、風邪ひかないといいんだけど。

つづく

風邪をひくのはどっちでしょうか・・・?

犬伊

また見てね

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