5月4日

昨日、あの後は微妙な雰囲気になり、そのまま解散してしまった。
にーのと会う約束もできなかったし、俺はにーのと会えないかな、と適当にウロウロしていた。

犬伊

うーん、そんな簡単に会えるわけないよな

犬伊

ん、この店今度にーのと来てみたい

犬伊

って、俺にーののことばっか考えてる

いつの間にか俺はにーのに夢中になっていたらしい。

犬伊

ん?
あれ・・・

新乃

・・・

新乃

・・・

犬伊

え、にーの?!

今の、にーのだよな?
目が合った瞬間逃げられてしまった。

犬伊

待ってよ、にーの

新乃

・・・

俺は逃げていくにーのを追いかけた。

犬伊

にーのってば

新乃

・・・

狭い路地裏で、俺はようやくにーのの手を掴んで捕まえた。

犬伊

何で逃げんの?

新乃

・・・

にーのは、ハアハアと肩で息をしている。
俺から目を逸らして何も言わない。

犬伊

なんか悪いことしてるみたいじゃん・・・

新乃

・・・

犬伊

俺のこと嫌いになった?

新乃

・・・

新乃

・・・

にーのはむくれて怒っているようだ。
でも、首を横にも縦にも振らないし、やっぱり俺とも目を合わさない。
にーのの気持ちわかったつもりになってたけど、やっぱり、わかんないよ。

犬伊

ごめん、こんな聞き方ずるいよな

新乃

・・・

犬伊

昨日のこと、気にしてる?

新乃

・・・

犬伊

そっか

にーのはこくんと頷いた。
にーのなりに、いろいろ考えたのかもしれない。

犬伊

ごめん、俺あんま考えてなかったかも
俺にーののこと好きだし、にーのもそうなら、付き合ってもいいかな?って

犬伊

でも付き合うとかって、よくわかんないよな

犬伊

また食べ放題とか一緒に行こうよ
ね?
にーの

新乃

・・・

新乃

・・・

新乃

・・・

にーのはこくんと頷いた。
結局前までの関係と変わらないけど、少しわかりあえたのかな。

犬伊

あ、さっきにーのが好きそうな店あったよ
行ってみようよ

新乃

・・・

つづく

なんだか終わりみたいな感じだけど変わらず普通に続くんじゃよ。

犬伊

また見てね

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