それから、ほとんど毎日ゆるゆるとLINEのやりとりは続けられた。


こまめに返す方では無いし、
すぐに返事が来るわけでは無いけれど、

本当になんでも無い話が続く。



使っているスタンプが可愛いとか、
二人とも趣味がカラオケだとか、

小林さんの地元はここらではなく、
大学に通うために一人暮らしをしているだとか、

外国語学部のドイツ語を専攻しているだとか、



いろんなことを、私は知っていった。




小林さんと連絡を取っていることを詩織にいうことはなかった。

何を言われるかわから無いし、
なんとなく、気がひけてしまったから。




それに、




迫田藍

写真見せてください笑

小林唯

無いから、また送ってもらうよ



惚れっぽい詩織が、小林さんを好きになってはいけ無いと思ったから。








***





小林さんとLINEをはじめて2週間くらいがたったときのこと。



小林唯

じゃあ一緒観にいこうよ





見たい映画の話をしていたときに、小林さんからきたLINE。


連絡は取っていたとはいえ、もう会うことなんて無いと思っていたし、まさか映画に誘われるだなんて思っていなかった。


あのダイニングバーで出会って以来、そんな簡単に約束を出来るのか、と少し驚いた。


迫田藍

相手、私なんかでいいんですか?笑

小林唯

私なんかがいいから誘ってるんでしょ




そんなものなのかな、と思う。
罪悪感を感じる私が馬鹿なのかもしれない。


迫田藍

楽しみにしておきます!




別に断ってしまうのも違うのかもしれない、と背伸びの仕方を間違えている私は、


簡単に小林さんからの誘いを飲み込んだ。

pagetop