合宿から帰った次の日、私は明にLINEを送った。明が私の家でご飯を食べる日についてだ。
ちょうどその日はあの日から五年経つ日だった。いつもはお父さんと二人でお母さんたちのお墓にいくのだけれど、今年はお父さんの外せない仕事が入ってしまって行けなくなってしまった。代わりに、明を誘ってついでにずっと聞きたかったことをきいてみようと思った。
どうして笑わなくなったの。
よく考えたら、きちんと本人にきいたことはなかった。憶測で勘違いしているかもしれない。
高島くんが寄り添ってくれたおかげで私のトラウマが払拭されたように、明のトラウマを私が寄り添い払拭したい。
きっとその話をするにふさわしい日だ。
誘いのLINEには一向に既読がつかない。
明とのトーク画面を閉じて合宿中の写真を見る。みんなの練習風景に限らずバーベキューの時のふざけた写真や、花と赤坂くんのラブラブなツーショットに私と高島くんを盗撮したものまである。
自然と笑みが浮かぶ。本当に素敵な友人たちだ。
突然ポヒャンッと通知音がなる。明からのいいよの文字。同時に、玄関のチャイムがなる。お父さんが帰ってきた。