30分に渡るカメール松本の説得の末、
裏死魔太郎は渋々ディープパープル(竜宮城)へと向かいました。
道中、
裏死魔はあまりにヒマだったので亀の背中の上で、
弾き語りを始めました。
30分に渡るカメール松本の説得の末、
裏死魔太郎は渋々ディープパープル(竜宮城)へと向かいました。
道中、
裏死魔はあまりにヒマだったので亀の背中の上で、
弾き語りを始めました。
海は広いな 大きいな
月がのぼるし 日が沈む
海は大波 青い波
ゆれてどこまで続くやら
海にお舟を浮かばして
行ってみたいな よその国
不思議な歌ですな。なんという曲ですかな?
どぅも。日本の旧三大・海の歌シリーズの一つ『海(海は広いな大きいな)』。本当はビギンのアレを歌いたいところだけどそれはさすがに今の裏ちゃんには無理。
お舟を浮かばせて…ですか。
ではカメの私ではいささか役不足でしたかな?ふはははは
バレた?
え?ウィットに富んだジョークではないのですか?
なんつってー、三味線弾いちまいました(※)。もう何言っても嘘つきの戯言!
三味線を弾く…主に麻雀などの勝負事で小芝居打って相手を騙す時の例え。
ex,「ダメだ、全然テンパイすらしないや。参ったなあ…あ、それロンです」
お、お上手ですな!
ところでとても三味線の音色も素晴らしいですね。
はい。父が宮仕えの三味線職人だったもので。
ただ、同業者の嫌がらせ、父の楽器が呪われてるだ、質が悪いだ散々言われた挙句、父は職を無くし、この海に投身自殺しました。
途方に暮れて海を散歩しているところカメ本さんがめちゃくちゃイジメられてて…
(変な略し方されてる)さようでございましたか。それは心中お察しします。
なんで人間が人間や動物をいじめたり嫌がらせするかわかります?
裏死魔様がよろしければ是非お聞きしたいです。
実際ずっと気になっていました。
私共海のモノにはそういった感情が無いものでして、不思議でならないのですよ。
人間たちのそういった現象が。
自分が傷つきたくないから。
だから先に他人を攻撃して自分に何か言われるリスクを減らそうと努力するんです。
自分のコンプレックスを誰かに悟られないようにするためにね。
なるほど。
人間が許し合う時のことわざに“すべてを水に流そう”っていうのがあるんですけど。あれってすげえムカつくんですよ。
じゃあ、親父はてめえら三下の三味線職人どものドブ臭えエゴを守るために海に沈められたのかって。
何も解決してないじゃないか。
人間なんかに生まれなければ良かったのに
冗談じゃねえよ!!
(同情するけど甲羅痛い)難しいのですね、地上で生きるというのは。
私たちの住む海ではそういうエゴや憎しみは一切ございません。
どうか少しでも裏死魔様の心の癒しになればと思います。
ほら見えてきましたよ?
ワォ!超デカい。意外と西洋風なんですね。
はい、こちらが私どもの故郷ディープパープル、通称竜宮城でございます。
実はこの建造物自体が実は我々海の者たち亡骸が寄り添い、融解して形を成しています。
ぎょぎょぎょ!死体の塊とな?
ははは。そういうと確かに聞こえが悪いですが、これは私共にとって光栄な事なのです。
人間と違って私共には容姿や個性のこだわりといった観念はございません。
必要なのは調和と共存です。
いつか私もこの殿の一部になる事は光栄ですし、しごく自然な事だと感じでいます。
そういう割にあなた、かなり個性的だと思いますよ
あれ?何か女性の歌声、というかハミングが聞こえるよ?
はい、この声の主は海底の歌姫リナ様。
そちらの伝記でいうところの乙姫様に相当します。
はじめまして、リナと申します。
え、あ、どぅも!裏死魔太郎です。
この度はカメールを助けて頂きありがとうございました。
精一杯おもてなしさせて頂きますので、ゆっくりしていって下さいね。
ありがとうございます。その、素敵な歌声ですね!
ありがとうございます!
そんな事言われたの初めてです。
とっても嬉しい~、うふふ。
海底2万メートルで
裏死魔太郎は
生まれて初めて
恋に落ちましたとさ
続く
ナルサワ……ジャナクテ、裏死魔君ノ、イジメガ何故起コル論ハ深イナ。ソシテドサクサニ紛レテ甲羅叩クナwww