日はすっかり落ち、辺りは暗くなっていた。

空から降りてきた彼女は、シロと名乗った。

シロ

ソラ、さがしてたんだよ

彼女の周りにはキラキラと光がまとわりついていた。
暗い夜の中で、それは幻想的な光景だった。

ソラ

え・・・どうして僕の名前を?

シロは僕の名前を呼んだ。
そういえば、最初に彼女が言ったのも「見つけた」だった。

もちろん僕は彼女のことを知らない。
知らないどころか、本当に空から人が流れ星のように落ちてきたはずで、それなのにあまりにも普通な現状に困惑していた。

シロ

しってるよ、ソラはシロのこと、しってるの

ソラ

そうなの?
僕たち、どこかで会ったことがあるのかな

シロ

あっ

シロは何かを見つけると、急に走り出した。
公園の噴水に駆け寄る。
そこにいたのは、一人のヴァイオリン弾きだった。

シロ

ねえ、おどろうよ

ソラ

え・・・

シロは僕の手を握り、噴水の前へ引っ張る。
そしてシロに引かれるまま、ギターの音に合わせて僕たちはくるくると回り出した。

シロ

おどろう

ソラ

わ、わあ

踊りと言っても、手をつないで回るだけだった。
けれど、シロは楽しそうに笑った。
ヴァイオリン弾きも楽しそうに弾いている。

シロ

たのしいね!

シロのすぐそばにいるからだろうか。
世界は眩しく輝いた。

ソラ

・・・

ソラ

たのしいね

シロとヴァイオリン弾きの楽しそうな姿につられて、僕もつい笑った。

拙いワルツを二人で踊る。
その時、僕は思い出した。

たのしいね!

たのしいね!

僕たちは幼い頃、ここで、踊ったんだ。
二人で、手をつないで、幼いダンスを。

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