日はすっかり落ち、辺りは暗くなっていた。
日はすっかり落ち、辺りは暗くなっていた。
空から降りてきた彼女は、シロと名乗った。
ソラ、さがしてたんだよ
彼女の周りにはキラキラと光がまとわりついていた。
暗い夜の中で、それは幻想的な光景だった。
え・・・どうして僕の名前を?
シロは僕の名前を呼んだ。
そういえば、最初に彼女が言ったのも「見つけた」だった。
もちろん僕は彼女のことを知らない。
知らないどころか、本当に空から人が流れ星のように落ちてきたはずで、それなのにあまりにも普通な現状に困惑していた。
しってるよ、ソラはシロのこと、しってるの
そうなの?
僕たち、どこかで会ったことがあるのかな
あっ
シロは何かを見つけると、急に走り出した。
公園の噴水に駆け寄る。
そこにいたのは、一人のヴァイオリン弾きだった。
ねえ、おどろうよ
え・・・
シロは僕の手を握り、噴水の前へ引っ張る。
そしてシロに引かれるまま、ギターの音に合わせて僕たちはくるくると回り出した。
おどろう
わ、わあ
踊りと言っても、手をつないで回るだけだった。
けれど、シロは楽しそうに笑った。
ヴァイオリン弾きも楽しそうに弾いている。
たのしいね!
シロのすぐそばにいるからだろうか。
世界は眩しく輝いた。
・・・
たのしいね
シロとヴァイオリン弾きの楽しそうな姿につられて、僕もつい笑った。
拙いワルツを二人で踊る。
その時、僕は思い出した。
たのしいね!
たのしいね!
僕たちは幼い頃、ここで、踊ったんだ。
二人で、手をつないで、幼いダンスを。