テレビも動画もゲームも飽きていた。
退屈でつまらないいつもの毎日。

ソラ

はあ・・・

口から出るのはため息ばかり。
そんな自分にも嫌気が差す。
不意に、僕は空を見上げた。

ソラ

あれ・・・

間も無く日の落ちる茜空に、一筋の光が見えた。

ソラ

流れ・・・星?

それは一瞬で燃え尽きること無く、煌々と輝いている。

ソラ

すごい、流れ星なんて初めて見た

思わぬ出来事に、僕は流れ星をじっと見つめた。
すると、あることに気づいた。

ソラ

あれって・・・人?

光に包まれ、距離も遠いから定かではない。
けれどもそれは、確かに人だった。
しかも、どうやら女の子に見える。

ソラ

う、そだろ?!
誰も気づいてない?!

とんでもない事態に気づいた。
ベランダから周りを見ても、誰も気づいていないらしい。
SNSにも、人が落ちているなんてニュースは見当たらない。

ソラ

ど、どうしよう?!
いや、どうしようったって・・・でも・・・

僕は無我夢中で走り出していた。
女の子が落ちてくる。
そこに走って行って、どうするのか?
僕自身わかっていない。
けれども、行かなきゃいけない、なぜだかそう思ったんだ。

彼女の姿を確認しながら、走り着いたのは小高い丘にある公園だった。
他に人はいない。

ソラ

ハア、ハア、ハア・・・

公園にたどり着いた僕は、思わず息を飲んだ。

薄暗くなっていく公園で、彼女はキラキラと光をまとって、ゆっくりと降りてくる。

ソラ

・・・

彼女は軽やかに降り立つと、僕を見てニコッと笑う。

シロ

みつけた

そうして僕たちはこの日、出会った。

すぐに訪れる別れも知らずに。

pagetop