新道 進一

準備はいいな?

 新道が聞く

榊原 信也

いいぜ!

神裂 優斗

オーケー!

 俺と信也が同時に答える。

新道 進一

 模擬戦第二試合、はじめ!

 新道が試合の開始を叫ぶ。

 BATTLE START!

 戦闘開始の機械音と共に、体育館が姿を変えていく。地面が白く変わり、周りの風景は真っ青な空。今度のステージは雪原のようだ。

榊原 信也

 行くぜ! 練成!

 最初に動いたのは信也であった。信也は右手を前に出し、魔方陣を作り出す。

 黄色に輝く魔方陣から雷が放電され、信也の両手に纏わり、黒い革の生地に黄色に輝くラインの入ったグローブが形成される。

 続いて、魔法陣から出てきた雷を右手に集め、黄金に輝く斧を練成した。

通常、斧は単発の攻撃力が強いが、次の攻撃に移るのに時間がかかる。

 そのため、斧を武器として扱うのにはそれなりの戦闘経験が必要になってくる。

 もちろん、信也には戦闘経験もあり、斧を扱うには十分すぎるくらいだ。

 しかし、信也が斧を使う本当の理由はそれだけではない。本当の理由は信也の特殊能力にある。

 さっきの教室でのやり取りのときに使った能力で、信也には相手の心を読むという能力を持っている。

 それを使い、次の相手の行動を予測し、確実に斧の攻撃を当ててくる。

 信也は斧の弱点をカバーし、斧の最大の特徴を生かし戦うことができる。数少ない人材だ。

神裂 優斗

 練成!

 俺もデバイスの練成に入る。

 右手を横に伸ばし、赤い魔方陣を作る。

 魔方陣から炎が現れ、黒い革の生地に赤いラインの入ったグローブが形成される。

 そして、右手に炎が集まり、刀身が赤く輝く刀が練成される。

榊原 信也

 今日は俺が勝たせてもらうからな。優斗。

 黄金の斧を両手で構えた信也は、いつでもどうぞと言わんばかりに、体でリズムを取っている。

神裂 優斗

 俺のスピードに付いて来られたらな。

 俺は、体の重心を低くして、両手で持っている刀の刃先を信也に向ける。

 お互いの距離は離れているのに、一歩でも踏み込めば信也に斬られる。

 俺はそう感じた。信也の魔力から、相当鍛えてきたことが空気に伝わり感じられる。。

 その間、俺と信也はお互いに動くことをしなかった。信也も俺と同じことを感じているはずだ。

 俺は直感でそう思った。

神裂 優斗

 そろそろ、はじめようか。

 俺は、信也に話しかけた。

榊原 信也

 優斗こそ、はじめてもらってかまわないぜ。

 信也が答える。

神裂 優斗

 ………。

榊原 信也

 ………。

 二人の間に沈黙が流れる。

榊原 信也

じゃあ、遠慮無く。

 先に動いたのは信也だった。

 斧を持っているというのに、俺との距離を一気に詰めて来る。

 黄金の斧は、俺の眼前に振り下ろされ、衝撃波が俺を吹き飛ばす。

 俺は、間一髪のところで後方に跳び、何とか信也の一撃をかわす。

 しかし、飛び散った雪原の雪で視界が悪い。

神裂 優斗

どこから来る?

 俺は周辺を見渡してみるが、信也の姿は無い。

 ふと、自分の影が目に映る。

 よく見ると、影がだんだん大きくなってきている。

神裂 優斗

 上か!

 上を見ると、信也が斧を高く上げ、俺めがけて落下してきている。

神裂 優斗

 上等!

 俺は、刀を構え、雪原を強く蹴った。

榊原 信也

一気にいくぜ! 優斗!

 上空で、信也が叫ぶ。

神裂 優斗

 OK! 勝負だ!

 俺が答え、信也に向かって行く。

榊原 信也

 獅子、裂空牙!

 信也の斧が雷の虎を纏い、俺に牙を剥く。

 俺は刀を左下に構え、刀に炎を纏わせる

神裂 優斗

一の型、炎斬剣!

 左下から右上へ振り抜いた刀は、炎の斬撃を生み出し、信也の攻撃へと向かう。

 二つの魔法の衝突により、空中で爆発が起こり、一面が煙で覆われる。

第七話:《模擬戦~火炎の魔剣と黄金の魔斧1~》

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