彼はとても眩しい存在だった
私にはとても不釣り合いで
それでも彼は、私を愛してくれた
彼はとても眩しい存在だった
私にはとても不釣り合いで
それでも彼は、私を愛してくれた
ユウは、私より1つ年上の彼
出会いは、この森だった
アオイと同じ、出会い方だった
君、誰?
真っ直ぐ見つめられたその瞳に
私は心を奪われた
近くの図書館で働くユウは
物静かだけど勇敢で
そしてとても物知り
何も知らない私に
いろいろ教えてくれた
好きです、付き合ってください
えっ……?
ユウからの告白が、とても嬉しかった
叶うとは思わなかった恋だと思ってたから
そんな彼と初めて一緒に出掛けた
海辺に行こう
そう言った彼と、バスに乗った
乗りこんだバスが事故を起こすなんて
この時の私達にはわかるはずがなかった
いや、誰もわかるはずがなかったんだ
目的地まですぐそこ
そこでバスは、突然横転した
燃え盛るバス
殆どの人は逃げ出せた
だけど
ユウは私を庇って
塊の下敷きになる
助け出せなかった
非力な私には、短時間で塊を動かせるはずもなく
脱出した乗客に半ば強引に引きずられ
私はバスの外にでた
それと同時に
バスは大きな煙を上げ
劈く爆発音が、辺りに響き渡る
ゆ……ユウ……!!
悲痛な叫びは
ユウに届くはずもなかった
私は、心を閉ざす事にした
誰も好きになっちゃいけない
好きになった人を、また失ってしまうかもしれない
だからこそ、誰も近付いて欲しくない
もう私には、何もいらない