バタバタバタバタ…
バタバタバタバタ…
ただいまーっ!いちばーん!
ただいまーっ!いちばーん!
双子の息子たちは、いつも競争して帰って来る。
はいはい、おかえり。手洗いうがいしなさいよ。
ケンちゃん、リュウちゃん帰ってきた?
2人の足音を聞いて、姑が中庭を渡って様子を見に来た。
あらあら、玄関でお靴がバラバラよ。
あ、すみませーん!2人に直させますからそのままで…
玄関に出て行くと、姑がしゃがんで息子たちの靴をそろえていた。
玄関はその家の顔だからね。
いつ誰が来るかわからないから、常にキチンとしておかないとダメよ。
笑われるのは、あなたよ。
はい。
姑は孫たちの靴をそろえ、花瓶に挿してある花の向きを少し直して去って行った。
あーもー、わざわざ来るなー
と、最初は思っていたが…
バタバタバタバタ…
ただいまーっ!いちばーん!
ただいまーっ!いちばーん!
2人の足音を聞くと、その後ろを姑も走ってくるようになった。
そして2人の靴を揃えると、いつもの決めゼリフ…
玄関はその家の顔だからね。
いつ誰が来るかわからないから、常にキチンとしておかないとダメよ。
笑われるのは、あなたよ。
そうか、姑は嫁のために日々靴を揃えに来るんだと理解した。
なので試しに…
お義母さーん、子どもたちがもうすぐ帰ってきますよー
と、声をかけたら
はいはい、今行くわね
と、玄関の横で子どもたちの帰りをスタンバっていた。
帰ってきた子どもたちを笑顔で迎え、靴をせっせと揃えて…
玄関はその家の顔だからね。
いつ誰が来るかわからないから、常にキチンとしておかないとダメよ。
笑われるのは、あなたよ。
今日も嫁に決めゼリフを言って去っていった。
【結論】
こんな嫁と姑なので、いつまでたっても子どもたちは自分のくつを揃えない。