うちの姑は、きれい好きだ。
どれくらいきれい好きかというと、朝から晩まで掃除か洗濯しかしていない。

姑訓「汚れてからでは遅い。汚れる前にきれいにする。」

今朝も早よから稼働中の洗濯機の前にずーっと立っているので、それを冷やかす嫁。

お義母さん、そこで何をやっているんですか?

最近の洗剤は泡ばかりたって、すすぎの水が全然きれいにならないのよ。

どうやら何回も何回もすすいで、水がきれいになるのを見張っているようだ。

どうして全自動洗濯機があるのに、古い2槽式を使っているんですか?

電気屋さんに「毎日の洗濯が大変だ」って言ったら、全自動洗濯機を勧められたの。でも買わなければよかったわ。
あれは勝手に洗って勝手にすすいで勝手に脱水するから嫌い。

だから全自動洗濯機っていうんですよ。

すすいだ後、裏返してもう1回すすがないと気持ちが悪いでしょ。あなたはどうやっているの?いくら全自動でも、それはやってくれないでしょ。

嫁、逃走。
 
 
その後、姑は竿を拭き、ハンガーを拭き、洗濯バサミを拭き、手塩にかけて洗った2枚の肌着と1組の靴下をていねいにひろげて干す。
 
  
干した後も、途中なんどもシワをのばしたり、表裏を返したり、太陽の向きに合わせて移動させたりする。

まるで頑固な焼肉屋の店主のようだ。
「いいか、肉から目をはなすなよっ!」的な。

おばさん(姑の妹)

姉さん、私のシャツもそろそろ洗ってよ。

料理は妹、洗濯は姉、と家事分担があるのだが…

あなたのは汚いからいや。

おばさん(姑の妹)

は?汚なくないわよ!

妹でも容赦ない。
もはや汚いから洗う、という概念はお義母さんに無いようだ。

ああ、洗濯がもう少し楽になるといいのに。

本当ですね。

もちろん嫁は、姑より全自動洗濯機を信じているので問題なし。
ティッシュやレシートがポケットに入っているとブザーのなる機能があるといいな、と思うぐらい。

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