おばさん(姑の妹)は自分で車を運転し、病院通いをしていたが、この日は体調が悪いというので、嫁が運転手になり病院に連れていくことになった。

バタン!

おばさん(姑の妹)

忙しいのに悪いわね。
みなみ整形外科までお願いね。

はーい。

…てか、後部座席に乗るんだね。
ま、助手席より気を使わなくていいか。

おばさん(姑の妹)

みなみ整形外科への道は知ってる?

はい、大丈夫ですよ。

おばさんを後部座席に乗せて、出発!

おばさん(姑の妹)

次の次の交差点を右ね。

はーい。

ひとつ目の交差点を通過…

おばさん(姑の妹)

次の交差点を右ね。

はいはい

おばさん(姑の妹)

次よー、もうすぐよー、次よー…

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

もー、声がデカい声がデカい…

その後も後部座席から身を乗り出し
大きな声で道案内が続く。
しかも、なまじっか運転ができるので…

おばさん(姑の妹)

曲がる時、ちょっとスピードが出すぎじゃない?

おばさん(姑の妹)

ウィンカー出すの、遅くない?

あっ!対向車がきたわよっ!
気をつけてっ!!!

ずーっと、一人でしゃべり続けている。

・・・・・・

無事、みなみ整形外科病院に到着。

おばさん(姑の妹)

奥に広い駐車場があるわよ。

しかし嫁は、入り口近くの駐車場に停車しようとハンドルを切った。

えーーーっ!ここに停めるの?
しかもバックで停めるの?

はい…

バックオーライ
オーライオーライ!
バックオーライ!
バックオーライ!

う、うるさい…

はーい、到着しましたよ。

おばさん(姑の妹)

ああ、疲れた。
自分で運転する方がずっと楽だわ。

私もそう思います。

しかし、その後おばさんは家族全員から運転が危いと指摘され、運転免許証を返納することになった。
 
 
それまでは、姑の通院もおばさんが付き添っていたが全部嫁の仕事にスライドした。
今までできていたことが、年とともにできなくなる。
それをお手伝いすることから、じわじわと介護が始まる。

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