和幸が目を覚ましたときはもう夕方だった。
保健室の先生はどうやら席をはずしているようだ。
ん……
和幸が目を覚ましたときはもう夕方だった。
保健室の先生はどうやら席をはずしているようだ。
帰るか……
そう言って和幸がベッドから起き上がろうとするとバランスを崩した
おっと……
大丈夫？
坂上……愛梨……
なんだ……和幸なのね……
愛梨は少し顔をしかめる。
二人の間には気まずい空気が流れる。
一応気をつけて帰りなさいね。
突然屋上で倒れてたってことはよっぽどだったんでしょ？
そうだ！
屋上！
屋上に誰かいなかったか？
俺以外に！
べ、別に……
誰もいなかったよ……
そっか……
アイツどこ行ったんだろ……
などと呟く和幸を横目に、愛梨は保健室から出ていこうとする
その時、和幸は思いだしたことを勢いのままぶつけた。
こ、今週の日曜日……空いてる……？
まぁ……空いてるけど……。
どういう風の吹き回し？
ちょっと……用事があってさ……
喫茶店とかで食事するくらいでいいから
愛梨は腑に落ちないといった表情を浮かべたが、最終的にはオッケーすることになった。
ごめんな
付き合わせて……
別に……
遠めから見るとカップルに見えるが、二人の間の空気は相変わらず重苦しい。
でもさ、なんで突然喫茶店に付き合ってほしいなんて……
べつに……どうっていうわけじゃないよ
高校に入ってから……しゃべってなかったから……
それはあんたが私のこと避けてたからでしょ？
和幸はごめんといいながら手元のコーヒーに口をつける
あんた……なんで友達作らないの？
愛梨は三神と同じ質問を和幸にぶつける
和幸の呼吸が心なしか荒くなる
愛梨はそんな和幸に声をかける
大丈夫？
あ、あぁ……
あんた……まだ雅のこと……
っ！？
和幸の呼吸がさらに上がっていく。
脳内に過去の映像のフラッシュバックする。
吐き気・眩暈・痙攣
様々な症状が和幸を襲う
和幸！？
和幸にあまりの症状に愛梨は急いで喫茶店を出た。
和幸なんか！
和幸なんか！！！
もう知らない！！
はぁ……はぁ……
和幸が意識をしっかり取り戻したときには自分の部屋だった。
おはよ……
なんでここにいる……
細かいことは気にしないで
それより
日弦はニヤニヤとした表情で語りかける
課題クリアしたし、次の課題――
いい加減……お前の正体……
それ
は？
今度の課題
私の正体を突き止めて
ヒントは……
そう言って日弦は和幸の耳元でささやいた
あなたの過去と愛梨のことよ……
