体育館が静寂に満たされている。

 神宮寺瑞希と霧咲静香は、お互いの出方を伺っているようだ。

神宮寺 瑞希

……。

霧裂 静香

……。

 先に動いたのは瑞希の方だった。

神宮寺 瑞希

はあ!

 青色に輝く剣が空気を切りながら、静香目掛けて突き進む。

霧裂 静香

くっ……。

 静香は、瑞希の一撃を、読んでいたかのいたかのように、両手に持つ二挺の銃で瑞希の蒼く輝く剣を受け止める。

霧裂 静香

さすが、重い一撃です。

 静香は、瑞希に言う。

神宮寺 瑞希

 へえ! やるじゃない!

 少なからず、前回よりは強くなったんじゃない? 

 瑞希は後方に大きくジャンプし、空中で再び剣を構える。

神宮寺 瑞希

 じゃあ、これはどうかな!

 瑞希は蒼く輝く剣に魔力を送る。

 蒼く輝く剣が更に輝き、剣を纏うように三つの魔方陣が発動する。

神宮寺 瑞希

一の型、青龍突き!

 瑞希がそう叫ぶと、剣は水を纏い、龍の形を帯びて静香に牙を剥く。

霧裂 静香

そう簡単にはやられません。

 静香は二挺の銃を前に突き出し、魔力を溜める。

霧裂 静香

魔弾一式、鎧龍弾!

 銃口から放たれた魔弾は、瞬時に魔方陣を作り出し、目の前に亀の甲羅を思わせる、緑色に輝く強固なバリアを形成。

 瑞希の青龍突きが水飛沫に変わり、荒野に勢いよく散らばる。

神宮寺 瑞希

 凱龍弾の強度が上がっているわね。

 流石、私の右腕ってところね。

 地面に着地した瑞希は再び剣を構え直し、静香を褒めた。

霧裂 静香

今回の試合は本気ですからね。

手加減はしませんよっ!

 そう言いながら、静香はすぐに通常魔弾を撃つ。

神宮寺 瑞希

 そう来ないとね。こっちも本気で行くよ!

 瑞希は、三発の魔弾を走りながら交わし、地面を蹴り、大きくジャンプした。

 そして、体を捻り、剣を前に突き出す。

霧裂 静香

その構えは一の型。

何度も同じ手はくらいません!

 静香は後方に大きくジャンプし、二丁の銃口を瑞希に向ける。

霧裂 静香

魔弾二式、蛇龍弾!

 銃口から放たれた魔弾の弾道は、魔方陣を発動させながら、蛇のようにランダムに曲がり、頭上から瑞希を狙う。

神宮寺 瑞希

二の型。

 瞬間、青く輝く剣の先に大きな魔方陣が出現し、大量の水が流れ出す。そして、空中の瑞希の体を包み、大きな龍の形を形成する。

神宮寺 瑞希

飛龍!

 そのまま瑞希は静香に突っ込んでいく。

霧裂 静香

これじゃあ、魔弾が効かない!

 静香は再び、魔弾を発動させ、凱龍弾を撃とうとする。

霧裂 静香

魔弾……っ!

神宮寺 瑞希

遅い!

 瑞希の攻撃が魔弾の発動よりも早く、静香に直撃。

霧裂 静香

ーーーーーっ!

 静香は大量の水圧によって、地面に打ち付けられた。

 BATTLE END!

 WNNER 神宮寺 瑞希!

 試合終了を告げる機械音と共に、荒野のフィールドが元の体育館に戻る。

神宮寺 瑞希

 お疲れさま。腕を上げたわね。

 瑞希はそう言って、攻撃を受けて倒れている静香に近寄り、手を差し出す。

霧裂 静香

 行けると思ったんですけどね。

 そういって言って静香は瑞希の手を掴み、立ち上がった。

新道 進一

 霧咲。念のために医務室に行くぞ。

 第二試合はその後だ。

 新道が駆け寄り、新道は静香を連れて、体育館を後にした。

榊原 信也

賭けは俺の勝ちだな。

 満面の笑みで歩いてきた信也が俺の隣に座って言った。

神裂 優斗

はぁ。ジュースだっけ?

 俺はため息を一つ吐き、その場から立ち上がる。

榊原 信也

ああ、炭酸なら何でもいい。

 信也は満面の笑みで俺に手を振っている。

 ムカついた俺は、信也に冷えていない炭酸水を買ってやることにした。

第五話:《模擬戦~蒼穹の魔剣と二色の魔銃3~》

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