……きこえますか…きこえますか…読者の…みなさん… オズボーン袴田です… 今…あなたの…心に…直接… 呼びかけています… 途中から…読んではいけません… 第1話から…読むのです… 下のボタンから… 第1話に…飛ぶのです… 第1話から読むのです…



























































八田八千代

だなあ









休み時間でごわす。














分田半蔵
二川浩二

半蔵くん!

分田半蔵

ん? なんだい?

二川浩二

ああ…わざわざこっち向いてくれなくていいよ…

二川浩二

具が…














七瀬七海

ああッ! うちのクラスで一番のイケメン、二川浩二くんが半蔵くんに話しかけている…ッ!

七瀬七海

模試の偏差値も、男子の顔面偏差値も学年で一番低い2年3組において、前髪を大胆にセンター分けすることだけで、3組のイケメン☆ヒエラルキーのトップに立った、“雰囲気イケメン”(その実、フツメン)の二川くんが半蔵くんに話しかけている…ッ!!

二川浩二

丁寧な説明をありがとう…





八田八千代

どうしたの? 七海?

七瀬七海

『2年3組新旧イケメン対決』の
のろしが上がったのよ…ッ!

おい! 学級新聞係! 号外の準備だ!!

八田八千代

フォオオオオオオオオオ!!!!!

皆のもの刀を取れェェェェ!!!!

七瀬七海

キェェェェェェェエエエエエエエエエ!!!!!!

二川浩二

そんなんじゃないから…








二川浩二

うちのクラス変わった子が多いんだ…

分田半蔵

そうかい? そんなふうには見えないけどなあ

二川浩二

そりゃあ、君以上に変わった子はいないけどさあ








二川浩二

そんなことよりさあ…。
半蔵くん、自転車で怪我したんだって?だいじょうぶ?

分田半蔵

平気さ! 大したことなかったから







七瀬七海

いや、大したことあるだろ







二川浩二

え! あ、そうなんだ…。
よかったよ…

八田八千代

ほんとに?

分田半蔵

うん。ちょっと切り傷があったくらいで



七瀬七海

だいぶスパっといったのね



八田八千代

ねえ? どうして事故なんておこしちゃったわけ?

七瀬七海

てか、半ケツでよくチャリ乗れんな…








分田半蔵

僕の家は半月山の頂上にあって、朝7時半に学校へ向かったんだ。途中までは順調だったんだけど…

八田八千代

だけど…?

分田半蔵

目の前に突然、子猫が…
























にゃーお


























八田八千代

まあ、大変!

分田半蔵

だから僕は咄嗟に急ブレーキをかけたんだけど…

二川浩二

そうか! ブレーキが間に合わず、よけきれなくて、バランスを崩して…






分田半蔵

違うんだ…。ブレーキはとてつもなく、かかったよ。とてつもなくね…

八田八千代

え? じゃあなんで…









分田半蔵

ふっとんだんだよ、僕…

八田八千代

…なんで??

二川浩二

うーん…








分田半蔵
二川浩二

…!?







二川浩二

そうか…! 日本の自転車のブレーキは、

七瀬七海

日本の自転車のブレーキは一般的に、右が前輪・左が後輪に繋がっている…ッ! 半蔵くんは左半身がないから、右だけでブレーキをかけている…ッ! 高速で走る自転車の前輪にのみブレーキをかけると、

二川浩二

…後輪が浮い

七瀬七海

後輪が浮いて、前方に回転し、放り出される…ッ!!







八田八千代

なるほど!

分田半蔵

七瀬さん、すごい! 探偵みたいだ!

二川浩二

僕のセリフが…





七瀬七海

それで、放り出されたところに、運悪くグロンケンがいて、頭ののこぎりが体を割いて…

分田半蔵

あ! ちがうちがう

七瀬七海

え? グロンケンじゃないの?

二川浩二

違うよ。そこじゃなくて、半蔵くんの身体のこと

八田八千代

そうよ。七海ちゃんの推理によれば、事故以前に半蔵くんは“半人前”だったってことじゃない

七瀬七海

そうか…






八田八千代

ねえ…。どうして半蔵くんは…









分田半蔵

それはね…







七瀬七海

ごくり…

















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