4月23日

今週からサッカー部の練習が本格的に始まって、の土曜日。
中学時代とは違う筋トレ・体力向上系のトレーニング。
午前中から走りっぱなしだが、未だボールには触れていない。

塩谷コーチ

今から休憩だけどしっかり体伸ばしとけよ
休憩後にボール触るからな

やっとサッカーボールに触れるのか。
そんなことが嬉しすぎて一年生ははしゃいでいた。
俺たちって何部だっけ・・・。
そんなことを思いつつ、俺はトイレに行くことにした。

根白

よお、犬伊
休憩か?

中庭からトイレに直行できる廊下を歩いていると、後ろから根白が現れた。

犬伊

そうだよ
まだボール触ってないけど、すげー疲れた

根白

そっちもか
オレも似たようなもんだよ
しかも一年の入部少なかったから、雑用でこき使われてさ

犬伊

まあ、部活なんてそんなもんだよな

犬伊

それよか、根白と話すの、なんか久しぶりだな

根白

そうだな、昼は野球部で食ってるし、朝も放課後も部活ばっか

根白

あーあ、和咲とか新乃とか、オレのこと忘れてんじゃないかな

犬伊

にーのならありえる

などと話していると、根白の視線がふと気になった。
俺の顔より、腰より、下をチラチラと見ている。

犬伊

・・・な、何?

犬伊

根白ってまさかガチの・・・?

根白

いや、ほらさ
サッカー部ってノーパンって聞いて

犬伊

おっふ?!

根白

これ生スパッツなの?

犬伊

いや、平然と揉むなよ

根白

え?
まあ、男同士揉むとか普通だろ

犬伊

ケツならないこともないけど
つーか揉みすぎ

根白

うわ
ちょっとこう、キュッって感じして嫌だな

お返しに揉みかえすと、根白は嫌そうな顔をして手を離した。
俺も手を離した。
俺たち一体何してんだ。

君たち、こんなところで不純異性交遊・・・いや、不純同性交遊・・・?
は、どうかと思うぞ

犬伊

うわ、厄介な人に誤解されるパターン

犬伊

いやあ、全然そんなんじゃないですから

でも、今・・・

根白

え、先輩も揉みたいんですか・・・?

な、そんなわけないだろ

二人が言い争っている間に、俺は退散した。
なんだかしょっぱい土曜日だ。
にーのに会いたい・・・。

つづく

にーのを補給しなくては!
そう思う犬伊がとった行動は・・・。

根白

また見てな

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