どうしてこうなったのか。
そんなことを問いただしても無駄だろう。
だが、問わずにはいられない。
皆が寝静まったと思われる時間。
午前2時
女子の悲鳴が廊下まで響き、眠っていた者も目が覚めて駆けつける。
羽鳥さんが留守番よろしくと言ったが、結局僕は悲鳴の元へ駆けつけてしまっていた。
その先にあった″もの″
その正体に触れて息をのんだ。
胸に刃物を立てるそれは
既に硬化が始まった人の器だ。
羽鳥さんがつぶやく名
工藤 陽景(くどう ひかげ)
目の前に横たわっている、金色の髪をした青年。
僕の記憶が正しければ…
彼は小野さんに手を差し伸べていた記憶がある。
…………。
そうだ、シチューのときに…。