クロードさんは、この御伽噺のことを、昔話と言った。
この御伽噺にはどんな秘密が隠されているのだろうか。
クロードさんは、この御伽噺のことを、昔話と言った。
この御伽噺にはどんな秘密が隠されているのだろうか。
では、私からこの昔話ができたきっかけをお話させていただきます。
クロードさんが、そう言って話しはじめた。
この話ができたのは、まだ、マリーさんが幼少のころです。
え? お父様からは、この洋館に伝わる古いお話ってきいてたわよ?
マリーさんは、驚いて言う。
そうなんですか?
私は、クロードさんに聞いた。
マリー様には、そう伝えてありまが、実は違うんですよ?
クロードは微笑みながら言う。
違うんですか?
私が聞くとクロードさんは、今から話しますよ? と言って、話しはじめた。
マリー様が幼少期のとき、実を言うと、結構なじゃじゃ馬娘でしてね。
クロードさんもサフィラさんと同じように、思っていることをズバズバ言っちゃうタイプなんだなー。
私は思わず苦笑いをしてしまう。
ちょっと、じゃじゃ馬娘ってどういうことよ!
案の定、マリーさんが怒る。
ウフフ、そうでしたね。懐かしい。
サフィラさんが言う。
サフィラまでー?
いや、マリーさん。ここに来たばかりの私にでもわかります。
多分、マリーさん今この状況であなたを庇ってくれる人はアーサーさんぐらいしかいませんよ。
と突っ込みたい所だけど、マリーさんがかわいそうなので、やめておく。
じゃじゃ馬……。
じゃじゃ馬でしたのね。
マリーさん……。
あはははは……。
私は苦笑いをするしかなかった。
で、そのじゃじゃ馬マリーさんは、幼少の頃から、森で遊ぶことが好きでして、よくこの森で、遊んでいたんですよ。
え? また、じゃじゃ馬って言いましたよね?
それに、じゃじゃ馬マリーさんって言いましたよね?
そんなこと言ったら怒っちゃいますよー?
私は、思った。
クロード。それ以上言ったら、怒りますよ?
ああ、やっぱり、マリーさん怒っちゃいましたよ。
というか、怒りますよ?って言っている時点でもう怒っちゃってますよ? クロードさん?
マリー様、これは失礼。でも、話しを盛り上げなくてはいけませんので、強行させていただきます。
えー。クロードさん。
そこ、強行しちゃうんですか?
あ、あの……、クロードさん。
マリーさん怒ってますよ?
……。
マリーさんは黙ってクロードさんを睨んでいる。
ああ、ご心配なさらず。あれは照れ隠しです。
えーー。クロードさん、あれが照れ隠しですか?
私には凄く怒っているようにしか見えないんですけど……。
私は、そう思った。
で、あるとき、森に木の実を拾いに出かけたんですよ。
えー。話を進めちゃったよ。
クロードさんの心、ズ太過ぎますよー。
私はマリーさんのほうを恐る恐る見た。
……。
あれ? 怒ってない?
すると、マリーさんはこちらを見て、微笑んだ。
……。
あれ? やっぱり怒ってなかったのかな?
私がそう思ったとき、マリーさんは、もう一度区ロードさんの方を見直した。
……。
ああ、やっぱり怒ってますよー。
クロードさん、これ以上じゃじゃ馬って言わないでくださいよー?
私はクロードさんに心の中でそう願った。