大勢と合流したものの
上手く皆で話をすることは難しく
僕らは別室へ移動することとなった。
先輩方の訳のわからないノリによって
散々逃してきた質問をここぞとした。
どうやら僕らは本当に閉じ込められたらしい。
電話はもちろん
インターネット等の電波自体が届かない。
話ができる者から聞いた話だと
ある者は散歩に
ある者は健康のために
ある者は飼い犬を弔うために
僕は学校行事(参加任意)の最中迷子に
皆、山へ訪れた最中に遭難したのだと言う。
そして皆、演劇部
もしくはそれに関わる者。
僕もまた…
演劇部の台本を書いている文学部の人間だ。
そして皆の格好について。
彼らはここで目覚めた際に格好が変わったようだ。
僕や西園寺先輩など
格好が変わっていない者も少なくないようだ。
いったい誰が、なんのため。
わかったことは一つだけ
仮装のような人達が着ているのは
近日の公演衣装であるということだった。