4月18日

朝、学校の正門で何やら騒がしい声がした。

生徒会長には橘、橘清人(たちばなきよと)に清き一票を!

どうやら、来週頭にある生徒会選挙の立候補者が選挙活動をしているらしい。
その熱の入り方には感心するしかない。

赤崎

ふあ〜あ

む、そこの君!

赤崎

あ?

眠そうにあくびをしながら校門を通ろうとした赤崎に、橘清人が肩を掴んで声をかけた。
これは一触即発の空気だ。

・・・

赤崎

な、なんだよ・・・気味悪いな

橘は赤崎を頭の上から足の先までジロジロと無遠慮の眺めた。
赤崎も戸惑っているようだ。

君、その髪は校則違反じゃないのか?
それともそれは君の地毛なのか?

赤崎

あ?
あー・・・まあ地毛?みたいな

犬伊

赤崎・・・すごい嘘くさい

地毛なら申請が必要だが、申請はしているのか?

赤崎

いや、してねーけど
地毛だし、うん

本当か?
金髪の下から黒い髪が見えるけど

赤崎

あーそれは、そう、そういう髪なんだよ

犬伊

次々と苦し紛れな言葉を吐いている赤崎は、少し面白い

橘による押し問答が続いていたが、どうやら橘は、赤崎の金髪が地毛であると少しだけ信じているようだった。

そういう人も中にはいるんだろうか・・・?

和咲

おはよー犬伊
あの人面白いね、天然さんかな?

犬伊

おはよう和咲

和咲

なんていうかー、あの二人フラグ立ってるよね

犬伊

ん?
え、何の?
戦闘フラグ?

和咲

ふふふふ
あ、新乃おはよう

新乃

・・・

犬伊

おはよ、にーの

にーのが遅れてやってきた。
すると、和咲は少し大きな声で大げさににーのに聞いた。

和咲

ねえねえ、赤崎って中学の時から髪の毛金髪だったの?

新乃

・・・

和咲

へー!
赤崎、金髪じゃなかったんだ!

何?!
君、ぼくを騙したのか?

赤崎

ちげーよ、ほら、オレ赤崎じゃないし

じゃあ君は誰なんだ?
学年クラスと氏名を名乗りたまえ

赤崎

あーあー、そんなことよりこいつのカバンチェックしなよ
絶対菓子入ってるから
菓子の持ち込みは校則違反だろ?

新乃

・・・

む、そうなのか?

いきなり引っ張り出されたにーのはびっくりしている。
それからぎゅっとカバンを抱きしめた。
間違いなくお菓子の詰まってるであろうカバンを、没収されまいと。

赤崎は橘の矛先をにーのに向けると、ニヤニヤしながら俺の方に近づいてくる。

赤崎

あとこいつな、ゼッテーエロ本持ち歩いてるから

犬伊

は、はあ?

それは本当か?

犬伊

いや、さすがにありえないでしょう・・・

ほいほい騙される橘。
この人、こんなんで、生徒会長やっていけるのだろうか・・・。

つづく

近所のドーナツ屋さんで新メニューが出るらしい。
にーのを誘って食べに行こう・・・!

また見てね

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