今日は絵美の両親に俊之を紹介する日だった。
今日は絵美の両親に俊之を紹介する日だった。
まだ来ないのか?
二時頃って言っていたから、
もうすぐでしょ。
せっかくの休みなのに。
ふふふ。
来るなら早く来て、
早く済ませて欲しいもんだよ。
最初は、
逃げ出そうとしていたくせに。
逃げ出そうとなんかしていないぞ。
そうかしら!?
まあ、いい。
ふふふ。
絵美の父は落ち着かなくて、
どうしようもない感じである。
絵美の母は、
そんな夫の姿がたまらなく可笑しかった。
そして数分もすると、玄関の戸が開く音がする。
どうぞ~。
お邪魔します。
絵美の母が玄関まで出迎えに来る。
いらっしゃい。
こんにちは。
はい、こんにちは。
どうぞ上がって。
先ず絵美が先に家に上がり、
その後に俊之が続いた。
そして絵美の母、絵美に続いて、
俊之が廊下を歩いて行く。
リビングに着くと、テーブルの奥の側で
絵美の父が胡座をかいていた。
絵美の母はリビングを抜けて台所へ行く。
絵美は俊之の隣に立っていた。
俊之は先ず、挨拶をする。
山ノ井俊之と言います。
宜しくお願いします。
俊之はそう言いながら、深々とお辞儀をした。
まあ、先ずは座りなさい。
はい。
俊之は絵美の父に促されて、
絵美の父と対面する位置で正座をした。
絵美は俊之から見て左の側に座る。
そして絵美の母がお茶を入れて持ってきた。
絵美の父と絵美、そして俊之の分のお茶を
それぞれ置いて、絵美の母は再び台所に戻る。
絵美の方から話は聞かせて貰った。
はい。
山ノ井君だったね。
はい。
一つだけ聞かせて貰いたい。
何でしょうか?
山ノ井君は
絵美の事を好いてくれているのか?
はい。
それはもう、
誰にも負けない自信があります。
判った。
だったら、絵美と
交際して貰って構わないよ。
お父さ~ん。
ありがとう~。
ありがとうございます。
ただし、高校生らしい
付き合いをしなさい。
高校生らしい付き合いですか。
約束は出来るか!?
う~ん。
約束が出来ないのか!?
お父さんの言う高校生らしい
付き合いというものが、
ちょっと俺には解らないので、
何とも言えないというのが
正直なところです。
判った。
はっきり、言おう。
はい。
セックスは
大人になってからにしなさい。
お父さん、何を言っているのよ。
もう~。
それは約束は出来ません。
何!?
俊君!?
お父さんは子供のセックスに
反対の様ですが、
当たり前だ。
俺は大人のそういう押し付けが、
子供達のモラルを低下させている
要因の一つだと思っているのです。
何だと!?
勿論、それだけが子供達の
モラル低下の要因ではないでしょう。
しかしセックスに関しては、
それが一番、大きいと俺は思うのです。
どういう事なのか、
ちょっと詳しく話を聞かせて貰おうか。
はい。
先ず、殆どの大人はお父さんと
同様に、子供のセックスには
反対の立場を示すでしょう。
だろうな。
しかし子供は中学生くらいの
年齢になれば、自然と性に対して
関心を持ってしまいます。
ふむ。
だから、早ければ中学生の内に
経験を済ませてしまう子もいますし、
逆に大人になるまで経験が出来ない子は
半分もいないのではないでしょうか。
そうなのか!?
実際には分かりませんが、
感覚として、それくらいだと感じます。
そうか。
でも、周りがどうだからとか、
それが遅いか早いかが
問題じゃないのです。
じゃあ、何が問題なんだ!?
いや、問題と言うと語弊が
出てくるのかもしれませんが、
全てはタイミングだと思うのです。
タイミング!?
はい。
男にならなければならない
タイミングとでも申しましょうか。
ふむ。
子供にも、そういうタイミングが
来てしまう事もあると思うのです。
それは、そうかもしれないが。
逆に女性の方も、そういうタイミングを
待ち焦がれていたりする場合も
あると思うのです。
うーむ。
その様な時に男になれない様では、
相手の女性に愛想を尽かされて
しまう事だってあるでしょう。
確かに、それは、そうだな。
だから、俺の場合は絵美さんに
愛想を尽かされるのは嫌なので、
その様な約束は出来ないのです。
なるほど。
それは判った。
勿論、そのタイミングが大人に
なってからであれば、お父さんの
お考え通りにはなるでしょう。
ふむ。
しかし俺達が大人になるまで、
そういうタイミングが来ないなんて
保証は何処にもないのです。
保証という言い方をすれば、
そうなのかもしれんが。
そして、そのタイミングというものは、
お互いの信頼関係を築いていく過程で
生まれてくるものだと考えます。
それは、そうだな。
それを踏まえた上で、俺と絵美さんは、
すでにキスまでは済ませています。
何!?それは本当か?
うん。
だから、早ければ近い内にでも、
そのタイミングが来ても、
おかしくないと思いますし、
近い内かどうかは別として少なくとも、
大人になるまで、そのタイミングが
来ない方が考え難い様に思います。
う~む、まあ、いい。
取り敢えず、それは判った。
はい。
それより、さっき、モラルが
どうのこうの言っていたが。
こらから、お話しようと。
そうか。
じゃあ、聞かせて貰おう。
今、お話した様に子供にも、
そういうタイミングが
来てしまう事もあるでしょう。
うむ。
なのに大人は子供だから
という理由だけで、
セックスをするのは悪い事だと
決め付けてしまうのです。
う~む。
そこで子供達は
セックスをしたくなったら、
大人に隠れてセックスをするしか
なくなってしまいます。
なるほど。
隠れてセックスをする事で、
セックスをする事に罪悪感が生じます。
うむ。
セックスをする事に
罪悪感を感じてしまうと、
セックスをするという段階で
モラルが破壊されてしまうのです。
う~む。
それで、そこでモラルが
破壊される事により、
子供達は避妊をしなく
なったりしちゃうんじゃ
ないかと思うのです。
なるほど。
セックスという悪事をするのなら、
避妊もしなくていいや、と。
それが人間の心理なのでは
ないでしょうか。
確かに山ノ井君の言う事に、
一理、あるとは思う。
ありがとうございます。
まだ何か、あるかね!?
はい。
じゃあ、先ず山ノ井君の話を
全部、聞いちゃおう。
はい。
それで避妊をしない事で
出来てしまった子供、
望まれないままに出来てしまった
子供の未来は、大変に厳しいものに
なりかねません。
そうかもしれないな。
下手をすれば中絶という、
生まれる前に命を断たれて
しまう事だってあります。
うむ。
俺は決して中絶を
否定するつもりはありません。
ん!?
どうしようもない場合も
あると理解をしています。
うむ。
しかし、だからこそ、
中絶しなければならない状況を、
出来る限り作らない様に
しなければならないと考えます。
そうだな。
その為に大人は子供達に、
セックスをするなと
教育をするのではなく、
セックスをする時には、
ちゃんと避妊をする様に、
との教育をすべきだと思うのです。
なるほど。
そうする事でセックスに対する
罪悪感を無くし、そうなる事で
子供達は大人に対して、
後ろめたさを感じる事も無くなるので、
気軽に性の相談や話も出来る。
そんな環境を作る事が
出来るのではないかと思うのです。
そうかもしれないな。
お父さんは俺と絵美さんが
キスをしていた事を
知らなかった様ですが、
それを言われると参るな。
お父さんに性への理解があれば、
絵美さんもお父さんに話をする事が
出来たのではないかと思うのです。
それは言わんでくれよ。
俺は絵美さんとお父さんには
性の事でも何でも話せる、
そんな関係でいて貰いたい
と思っています。
そうか、そうか。
そして、そうなる事が出来れば、
絵美さんをより幸福に
出来ると思っています。
うむ。
だから、反対される事も覚悟の上で
参上をさせて頂きました。
ほほう。
今日、きちんとお話をして、
ご両親に理解を頂いた上で、
これから絵美さんと、
ちゃんとした交際をしていきたい
と思っています。
ふむ。
もし、お許しを頂けない場合は、
お許しを頂けるまで何度でも、
参上をさせて頂きたく
思っています。
そうか。
一応、俺の言いたい事は、
一通り言わせて頂きました。
取り敢えず、
山ノ井君がどれだけ真剣に
絵美やその他の色々な事、
そして私達の事までをも
考えてくれていたって事は判った。
ありがとうございます。
今度は私の話を聞いて貰いたい。
はい。
山ノ井君の話を聞いていると、
とても高校生とは思えなかったんだが、
すみません。
高校生は高校生でしかない。
はい。
高校生である以上、私から見たら、
まだまだ子供なんだ。
そうですか。
そして絵美は私にとって、
ただの子供ではない。
はい。
かけがえのない実の娘なんだ。
はい。
山ノ井君の言っていた事が
正しい事だとしよう。
はい。
私は他の子供達には
山ノ井君の様な考えで
接する事も出来るのかもしれない。
はい。
しかし絵美に対してだけは、
そうはいかないんだよ。
はい。
それが親と子というものなんだ。
はい。
理屈じゃないんだよ。
はい。
そして親である以上、
子供のセックスを
推奨する訳にはいかない。
俺も決して推奨をしている訳では。
判っている。
でもね、大人の世界では
容認をしてしまう事で、
推奨をしていると受け取られて
しまう事もあるんだよ。
そうなんですか!?
だから、容認をせずに、何かを
認めなければならなくなった時、
大人はどうするか、解るか?
いえ、解りません。
見て見ぬ振りをする事しか
出来ないんだ。
見て見ぬ振りっていうのは、
容認をする事ではないんですか?
少し違う。
容認は全面的な賛同は出来なくとも、
表面上は認めざるを得ない場合。
見て見ぬ振りは知らぬ振りでもあり、
表面上、認める訳にはいかない事を、
内心、仕方なく認めざるを得ない場合。
知らなかったという言い訳を作る事。
そうですか。
この事はいずれ、
山ノ井君が大人になれば、
判る時もくるだろう。
はい。
とにかく親は子供のセックスを
表立って認める訳にはいかないんだよ。
セックスをするのは大人になってから、
と言う外はない。
はい。
それが親の立場というものなんだ。
なんか、大人って面倒ですね。
ははは。
確かに面倒なのかもしれない。
ただ、さっきも言ったけど、
いずれ嫌でも判らなければ
ならなくなったりもする。
はい。
そして、それが大人になる
という事なのかもしれない。
はい。
だから、今はまだ、
高校生でしかない山ノ井君に、
きちんと理解をする事は
出来ないのかもしれない。
はい。
山ノ井君が絵美と結婚をして
子供を作り、子の親になれば、
きっと私の言った事は、
きちんと理解が出来る時も来るだろう。
え!?
本来であれば、まだまだ
子供でしかない山ノ井君に、
絵美の事を任せる訳にはいかない。
はい。
しかし山ノ井君を見ていて、
山ノ井君なら絵美の事を
幸せにしてくれるだろうと
思ってしまったんだ。
本当ですか!?
いや、山ノ井君にしか
絵美を幸せにする事は出来ない
とさえ思えるんだ。
ありがとうございます。
だから、
山ノ井君と絵美の交際に関して、
私は見て見ぬ振りをさせて貰う。
お父さん。
絵美の事は
山ノ井君にお任せをしよう。
ありがとうございます。
そして絵美の交際相手として
歓迎もしよう。
お父さん、大好き!
絵美はそう言いながら、父の首に抱き着いた。
とても素敵なお父さんだね。
俊之は優しい眼差しで、絵美に声を掛けた。
うん。
絵美は元の位置に座りながら応えた。
ははは。
私の事を褒めてくれたとて、
容認は出来ないぞ。
解っています。
その事も含めて、
本当に素敵だなと思ったんです。
本当に今日のお父さん、
カッコ良かったわ。
それまで台所の入口の所で立って話を聞いていた、
絵美の母が言った。
本当にすごくカッコ良かった。
なんだ!?急に。
今まで私の事なんか、褒めて
くれた事なんて無かったのに。
ふふふ。
本当にカッコ良かったんだもん。
まあ、いい。
それより、山ノ井君。
はい。
絵美を嫁さんに貰ってくれるんだろ!?
いえ、今、
それを約束する事は出来ません。
どうしてなんだ!?
勿論、今の俺の正直な
気持ちとしては、将来、
絵美さんと結婚が出来たらいいな、
とは思っています。
うむ。
しかし今はまだ、それは俺の
一方的な願望でしかありません。
そうか。
まだ俺達は、そこまでの信頼関係を
築けてはいないと思います。
なるほど。
それに相手を選ぶのは女性の権利だと、
俺は思っているんです。
ほほう。
そして男は気に入った女性に
選んで貰える様に頑張るんだって。
なるほど。
だから、
絵美さんに選んで貰える様、
頑張るって事は約束が出来ます。
判った。
ありがとうございます。
しかし、山ノ井君。
はい。
生意気なのも程々に
しておいた方がいいぞ。
本当に、そうよ~。
すみません。
それと普段、絵美の事を
何て呼んでいるんだ?
呼び捨てをさせて貰っています。
じゃあ、そんなに気を
遣ったりせず、私達の前でも
呼び捨てして貰って構わないよ。
解りました。
それと生意気ついでに、
一つ、お父さんに図々しいお願いが
あるんですけど、いいですか!?
何だ?
俺のお父さんにもなって欲しいんです。
何だ!?
いきなり?
俺、小さい時に
事故で父を亡くしたもんで。
そうか、解った。
本当の父親だと思って貰って構わない。
ありがとうございます。
じゃあ、これからは私達も
俊君と呼ばせて貰うよ。
はい。
そして絵美の母がお茶を持ってやって来て、
俊之から見て右の側に座る。
それで今度は私の方から俊君に
お願いがあるんだけど、
いいかしら?
何ですか?
ちょっと絵美の勉強を
みてやって欲しいんだけど。
ちょっと、お母さん、
何を言っているのよ。
ははは。
俺の方は構いませんよ。
ん!?
俊君はそんなに成績がいいのか?
絵美の話だと、
相当にいいらしいけど、
この間の期末テストは
どうだったの?
俺は2番でした。
ほほう、それなら丁度いいじゃないか。
何が丁度いいのよ~!?
勉強をしている間、
一緒に時間を過ごせるんだよ。
そういう事になるな。
俊君と一緒に居れるのは
嬉しいけど、勉強をするんじゃ、
嬉しさが半減しちゃうじゃん。
ははは。
まったく、この子ったら。
俺は絵美と一緒に
勉強が出来るんだったら、
すごく幸せだけどな。
分かったよー。
私も俊君が一緒に勉強を
してくれるんだったら勉強をする。
俊君、それから、
ついでと言っちゃ何だけど、
もう一つ、お願い出来るかしら?
何ですか?
時々でいいから、隆行の勉強も
みて貰えると助かるんだけど。
いいですよ。
隆行、来年、高校受験なのよね。
因みに隆行君の成績は
どんなもんなんでしょう?
中学の成績は絵美より少し、
いいくらいかな。
だったら、何とかなるかな。
お願いね。
それじゃ、俺がバイトのない日に、
週に二日くらいで
隆行君をみましょうか?
それで構わないわ。
ん!?
俊君、アルバイトをしているのか?
はい。
何をしているんだ?
大工の手伝いです。
将来は大工になろうと
しているのか?
いえ、
そこまでは考えていないのですが、
親戚の伯父さんが大工をしていて、
中学の時から働かせて貰っていたので、
そのままって感じです。
そうか。
中学の時からねぇ、偉いな。
それに、
どんな仕事に就くにしても、
大工仕事を覚えておけば、
何かと重宝されるんじゃないかと。
ははは。
俊君は呆れる程にしっかり者なんだな。
本当に、そうね~。
すみません。
それと絵美の方は
どうしようかしら?
あ~あ。
どうしたんだ!?
せっかく私の事は
忘れ去られたと思っていたのに。
ははは。
絵美の方は俺がバイトを終えたら、
こっちに来ます。
え~。
どうした!?
勉強をするなら、
俊君チでしたいな~。
だったら、俺がバイトのない時は、
ウチですればいいじゃん。
え!?
俊君、アルバイトがない時は
隆行の方をみるんじゃないの!?
隆行君の方は夕飯の後、
数時間って感じだと思うよ。
そうね。
だから、それまでの時間は
一緒に勉強が出来るよ。
えー!?
それじゃ、私は毎日、
勉強をしなきゃならないの!?
そう。
何で!?
そうなるの!?
でも、毎日、毎日、
勉強だけする訳じゃないしさ。
本当!?
あはは。
そりゃ、息抜きも必要だからね。
俊君、ごめんね~。
いいんですよ。
俺、絵美のそういうところ、
可愛らしくて好きですよ。
本当に絵美の取り柄は
素直なところだけだな。
それで、その素直過ぎるところで時々、
私達は恥ずかしい思いを
しなくちゃならない。
本当に、そうね。
だってさ。
も~。
お父さんも、お母さんも。
ねぇ、俊君。
何ですか?
今日、お夕飯、
ウチで食べてらっしゃい。
それじゃあ、ご馳走になります。
それじゃ、目一杯、
腕を振るわなきゃね。
絵美、いらっしゃい、
夕飯の準備をするわよ。
うん。
そう言うと、絵美は母と一緒に台所へ行った。
俺、ちょっと
電話をさせて貰います。
どうぞ、どうぞ。
俊之は立ち上がって廊下に出てから、
携帯で自宅に電話をかけた。
もしもし、おっかあ!?
何?
俊之なの!?
今日、俺、夕飯はいらない。
何で?
絵美んチで、
ご馳走をしてくれるって言うから。
あら、そうなの!?
うん。
じゃあ、
今度はウチが絵美ちゃんに、
ご馳走をしなきゃね。
まあ、それは、
また今度でいいから。
そうね。
そんじゃ、そういう事だから。
了解。
俊之は電話を切ると、リビングに戻って、
元の位置に正座をする。
すみません。
構わないよ。
それに足も崩して貰って
いいんだよ。
それじゃ、そうさせて貰います。
そう言って、俊之は正座から胡座に座り変えた。
足は大丈夫か!?
さっきまで、
ちょっと痺れてましたけど、
電話をしている間に治りました。
そうか。
お父さん、休みの日は
いつも何をしているんですか?
ははは。
私は大体、ウチでゴロゴロ
しているのが関の山かな。
そうなんですか!?
時々、
釣りに行ったりはするけどね。
今度、俺を連れて行って
貰えませんか?
おお、嬉しい事を
言ってくれるじゃないか。
俺、釣りって、
やった事がないんです。
だったら、尚更、
教え甲斐があるってもんさ。
お願いします。
いつ頃がいい?
俺、夏休み中だったら、
比較的、自由に時間は作れます。
じゃあ、来月の頭くらいまでに
決めて連絡をするよ。
お願いします。
携帯の番号を教えてくれるか?
はい。
俊之はそう言うと、
携帯の番号を絵美の父に教えた。
そして、その後も俊之と絵美の父は
様々な事を話する。
途中、隆行が帰って来た。
そして俊之が隆行の家庭教師になる事を
決めたと紹介をして、その後、
川村家の四人と俊之とで夕飯を共にする。
俊之はその後も川村家の人達と様々な話をして、
結局、俊之が自宅へ帰って来たのは、
夜の十時を過ぎた頃だった。