■『面白さ』を客観的に考えられないと思うのは大間違い

 小説って結局のところ面白くなければいけないわけですが、普遍的な面白さなどあるはずもなく、結局は主観・好みの問題だと、議論は落ち着きがちです。
 しかしその考えは『逃げ』であることもあるので、要注意です。

 例えば、リーダビリティ(読みやすさ)。
 これが改善されたものは、改善前と比べて、元々『面白い』と思っていた人も、『より良くなった』と思います。
 そして改善前を評価しなかった人も、『面白い』と思うようになるかもしれません。
 逆は果たしてあるでしょうか。よほど偏屈な人でなければ、まずありえないことです。
 ゲームでいえばユーザビリティで、こっちのほうが説明しやすい――プロの商業作で絶対的に面白くないものがあるのでわかりやすいのですが、小説でも言わんとしていることは伝わるでしょう。

 今はリーダビリティの例を挙げましたが、他にも様々に客観的に語れるものがあります。
 逃げちゃ駄目です。
 筆者は逃げの姿勢にとっくに入っていますが、これからの若い書き手さんたちは、どうか逃げずに戦ってください。

『面白さ』を客観的に考えられないと思うのは大間違い

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