■ネット小説サイトにおける、読者数の錯覚
■ネット小説サイトにおける、読者数の錯覚
賞や書籍化云々からは離れて、単に小説を書いて読んでもらいたいという方への話になります。
もしあなたが、自分の小説を多くの人に読んでもらいたいと考えた際、どんな投稿サイトを選ぶでしょうか。
筆者ならば、大手――登録者数の多い有名サイトを選びます。
これは一般的な考えでしょう。
しかし、この考えは必ずしも正しくありません。
大手小説投稿サイトだと、何十万人という登録者がいます。それだけ人が集まっているのなら、多くの人に読んでもらえるだろう、と自然には思えます。しかしいくつかの意味で錯覚です。
〇登録者数は、活用者数と一致しない。
まず、アカウントを持っている人のなかで、読み専(書きはせず読むだけの人)でもいいから活動している人というのは、一部です。
あまり活用していない、まったく活用していない人など、珍しくありません。
だから何十万との数字に期待しすぎると……ガクッときます。
〇読まれるジャンルとそうでないジャンル。
サイトによって流行傾向が出てくるものですが、こうした傾向は極端です。
そのサイト独特のテンプレート作を書くのなら、初心者作家では考えられないほどの読者を獲得できますが、そうでないなら、ほとんどの場合大手であることなど無意味です。
〇それでも全体数が多ければ……。
たとえ9割がテンプレ作読者だとしても、一割は違う。全体の数が多ければ一割でもかなりの数になる。
との考えは正しいですが、しかし考えねばならないのは、『では他の投稿サイト、交流サイトよりも本当に多いのか』です。
サイトによっては、アクセス数=読んでくれた数といえます。大手になりすぎると、ほとんどがアクセスのみで去ってしまい、読んでくれていません。
〇読者は別に、登録者に限らない。
アクセス数ではなく読者数に近い数を見られるサービスもあります。
筆者自身が体験したことですが、連載作において、ブックマークといった評価こそ低空飛行でしたが、読者数は多かったことがあります。
どれほど多かったかというと、ブクマ数が1000を超える作品たちと同じほど多かったのです。
なぜこんなことが起こるのか。普通に考えれば、登録者ではない読者を獲得していたのでしょう。
深く考えれば、作品を読み続けはするが決して評価はしないと読者に嫌われていた説もありますが、筆者が病むので考えるのは止めておきます。
登録者数と読者数は一致しません。とはいえ、やはり大手になるほど、未登録読者の数も多くなってくるのでしょうが。(結局結論はどっちなのだ。)