ナルル、魚介系とんこつ弁当作って来たよ。食べる？えへへ。

(家系ラーメンスープ的な)ああ、ありがとね。

どうナルル？美味しい？１００点中何点？うひひ。

４５点。俺、甲殻アレルギーだから。
この中身、半分以上食えない。

ええ、そうだっけ？ほほほ。

何度も言ってる気がするけど…いや、まあ別に良いんだけどね。

ワォ？何々？

今の困ったナルルの顔、可愛かったから撮っちゃったの～。
うふふ。か～わい～！
にゅへへ。

(にゅへへ？)よくわかんないけど、どぅも。

ねぇ、ナルル。
私もお腹減ったからちょっと食べてもいい？でへへ。

もちろん。
ナンシーが作ったんだから。
そのエビ天とカニチャーハンを重点的に食べて。

うんうん、ナルルやさし～。うへへ。
それじゃあ、エビ太郎、カニ子ちゃん。
ごめんね、いただきまちゅね～、良し良し。

何か重いメルヘン。
それにクチャラー(※)なんだよなあこの子。
あと無駄に笑い方のバリエーション多いのも不気味だし。

ごちそうさま～、にしし。
ところでナルル。この前のＬＩＮＥのくだりだけど覚えてる？

ＬＩＮＥ？ああ、ちょっとケンカ的なムードになったヤツの事？
あれは何かすんません。

うん、全然ナルル理解してないと思ったから今から文章の解説するね。
私が送った三個目の三行目の『プンプンだったぞ！ぷんぷん』はデートの内容が悪かったからじゃないの。
ナルルがデートに４分遅刻した事に怒ってたのを伝えたかったんだよ？
プンが４つだけにね！にゅふふ。
どうコレ？

(にゅふふ、キメえ！どうコレ？じゃねえ！！)…はいはい、それは悪うございましたね。

私、ナルサワ君のそういう所本当に良くないと思う。
ちゃんと心から謝って。さあ！！

(げ、いきなり普通の女に)ご、ごめんなさい。俺バカだからＬＩＮＥの流れを汲み取れなくて。
勉強します。

ううん、全然平気だよ！ナルルは全然バカじゃないよ！
ナルルだーい好き！！ゲヘヘヘ！

じゃあ、言わすなよ！
そしてバカじゃないを強調すな！
さらに笑いがちょっと怖いし！
ああ、いい加減別れたいかも

やっぱり私たち相性抜群だね！だはは！

そ、そだね。うんうん。
(本当に今の流れで心からそう思えるのか？)

だから何がシャッターチャンスだった今の！？

あれ？何だっけ？とにかくかわいいよナルル！トゥフフ！

ナルルどうしたの？さっきから黙って？お腹痛いの？私のお弁当で当たった？

いやそれは大丈夫。殆ど食べれてないし。
あのさ、僕たち付き合ってもう３か月ぐらい経ったよね？

そうだね！よく覚えてました！えらいえらい！よほほほ！

え、ナルル？

そろそろ俺たちしても良くない？

うん。

今日も可愛かったよ、ナルル！キヒヒ！
じゃあまたね…

ちょ、待てよ。

ナルル、どうしたの？ちょっと怖いよ？

僕もいつまでもかわいい年下の男の子じゃいられないわけよ？
今日という今日は最後まで…

ただいマントヒヒ！
なんつってね、ワハハ！
あれナルサワ君その細君は…

ワォ！え、あう…その何ていうか

すいません。私が無理言ってお店閉める時間を延長してもらって。
ナルサワ君とは同じ大学の写真サークルで今度のコンクールが締切間近で彼にアドバイスをもらっていたところなんです。
もう丁度いま帰るところだったんですよ！
ねえ、ナルサワ君！？

え、あう…うんそんな流れだったかも。

ほほう、写真ですか。興味深い。ナルサワ君、キミいつの間にそんな良い趣味を嗜んでいたのかね？

え、あう…僕普通に芸術学部の写真科ですから。そこんとこよろしこって感じではあるんですけどその…

ごちそうさまでした！このお店のコーヒーとても美味しかったです。今度は営業中に来ます！失礼しました

え、あ、はい。

またね。

あ、どぅも。

中々、品と知性のある良いご学友じゃないか、ナルサワ君。
因みに今回のように営業時間の延長は別に構わないが、ＬＩＮＥだけしてもらえるかな。

アフター中でも一応この店の最高責任者の責務は常々果たしているつもりだからね。

はい、さーせんした。

ふあ～あ。私もいささか疲れた。このまま自宅に帰って寝るとするよ。
戸締りだけ頼む。
ではまた明日～。

あの、それはいいんですけど、っていうかあの…