洋館の住人達が、アーサーと私の居る部屋に入ってきた。

アーサー

やあ、皆。

今日は皆に紹介したい人が居るんだ。

アーサーはそう言って皆を席に着かせた。

マリー

あら、アーサー。

紹介したい人って、そこの可愛らしいお嬢さんのこと?

どこかのお姫様のような彼女が、私を見て言った。

ジャスミン

か、可愛らしいって……。

私は、彼女の発言に少し照れくさくなった。

アーサー

ああ、彼女はジャスミン。

どうやら、この森で迷子になってしまったらしい。

だから、一晩だけ泊めてあげることにした。

ということで、皆には自己紹介をしてほしい。

アーサーが皆に言う。

クロード

そうでしたか。

私の名前はクロード。当家の執事長を勤めております。何かあれば、私に言ってください。

それにしても、ジャスミンですか……、良い名前ですね。

ジャスミン

あ、はい。ありがとうございます。

銀髪の背の高い彼が、私に微笑みながら言った。

ユース

ジャスミンか……。いい名前だね。

僕の名前はユース。今は執事見習いをしているんだ。

よろしくね。

ジャスミン

よろしくお願いします。

 私より少し背の高い彼も、笑顔で私に話しかけてきた。

マリー

次は、私ね。

私の名前はマリー。アーサーの妻です。

ジャスミンちゃん。今日は遠慮なくゆっくりして行ってね。

ジャスミン

あ、ありがとうございます。

 やさしそうな彼女は、アーサーの奥さんらしい。

 カッコイイ人の奥さんは美女というのは、どうやら本当らしい。

シルビア

では、次は私ですね。

私の名前はシルビア。メイドです。

何かあれば声をお掛けください。

ジャスミン

よ、よろしくお願いします。

 少し無愛想な気もするけれど、初対面の人にはこんなものだよね?

サフィラ

あらあら、シルビアちゃん。そんなに無愛想にして、いつものかわいい顔が台無しですよ?

ほら、ジャスミンちゃんに謝って。

 おお、この人すごくはっきり言う人だ。

シルビア

ご、ごめんなさい。

ジャスミン

い、いえ。気にしないでください。

 いきなり、謝らせてしまった。

サフィラ

では、私ですね。私はサフィラ。

メイド長を勤めています。食事の後で、当館を少し案内しますので、泊まりになる部屋などはそのときに。

よろしくね。ジャスミンちゃん。

ジャスミン

はい、ありがとうございます。

よろしくお願いします。

クレア

では、最後に私ですね。

メイド見習いのクレアです。よろしくお願いします。

夜中に何かあれば、今日は私が巡回をしていますので、声をお掛けください。

ジャスミン

はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。

 彼女は、メイド見習いだったのか。

 それにしても、さっきは忙しそうだったな。

アーサー

あと、もう一人居るんだけど、今日は体の具合が良くないみたいで……。

ジャスミン

あ、そうですか。そんなときにお邪魔してしまって、すみません。

アーサー

いやいや、ジャスミンが謝ることじゃないよ。

 アーサーは、慌てて私に言った。

アーサー

じゃあ、自己紹介も終わったから、食事にしようか。

 アーサーと、皆は食事に手をつけはじめた。

 私も、出されたハンバーグステーキを一口サイズに切り、フォークで口に運んだ。

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