メイドの少女が持ってきた料理は、おいしそうなハンバーグステーキだった。

クレア

では、私は他の皆様をお呼びしますので、少々お待ちください。

彼女はそう言うと、アーサーと私にに一礼し、再び部屋を出て行った。

アーサー

お腹を空かせてるところすまないね。

ここでは、皆が揃ってから食事をするという決まりがあってね。

ジャスミン

いえいえ。とんでもありません。

私の方こそ、いきなりお邪魔してしまった上に、お料理までいただいてしまって……。

私は、アーサーに、改めて感謝をする。

アーサー

そうだ。君の名前を決めておこう。皆に紹介するのに、名前が無くてはおかしいからね。

そう言って、アーサーは顎に手を当てて私の名前を考えている。

ジャスミン

あ、あの……。

そんなに真剣に考えてくれなくても良いですよ。

明日には出て行きますので。

私は、アーサーに言う。

アーサー

いやいや、名前は大切だよ。

それに、君の名を呼ぶとき、名無しさんでは、かわいそうだからね。

さすがに、名無しさんとは呼ばれたくないと思った。

そして、しばらく考えたアーサーは、はっと思いついたかのように、手を叩いた。

アーサー

ジャスミンというのはどうですか?

アーサーが微笑みながら言う。

ジャスミン

え、ええ。良いですね。ジャスミン。

アーサーの笑顔は、どことなく安心感を与えてくれるもので、何故か、記憶喪失の私には、ジャスミンという名前がしっくりきた。

アーサー

では、以降、ジャスミンと呼ばせていただきますね。

ああ、そろそろ皆が来る頃ですね。

そう言って、アーサーが扉の方を見る。

私もそれに釣られて扉の方に目を向けると、メイドの少女を先頭に、洋館の住人達が部屋に入って来た。

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