4月１４日

朝、いつものように教室に入りにーのに挨拶をしたと思ったら、にーのの席には全然見たこともない奴が座っていた。

俺たちがそんなやり取りをしていると、にーのが現れた。
にーのは名前も知らないそいつをじっと見つめている。

前の席で話を聞いていた井崎が聞くと、男が答えた。
さりげなくにーのも頷いている。
見た目からは想像つかない、意外な交友関係だ。

にーのが、俺の席を挟んで反対側の席を指差した。
そんな仕草で意味を理解するのもすごいし、サンキューと言いながらにーのの頭を撫でるのもなんだか手慣れいる。

入学式からずっと空席で気になっていた、俺の左隣の席。
そいつはそこに座る。

赤崎とにーのの関係が気になったが、聞けないままみんなで体育館に移動することになった。
入学式から今週中までは、課題試験に身体検査、それから部活動紹介のオリエンテーションなどで授業はまだ始まっていない。

新乃に聞いたのに、なぜか赤崎が答えてくる。
別に構わないけど、ちょっとモヤモヤとした。

オリエンテーションが終わると、そのまま部活体験が始まる。
俺はもう入部先が決まっていて、にーのは帰宅部だ。

相変わらずやる気のおきないにーの。
そうだと思って今日も菓子を用意した。

どうせ甘い物でも食べるんだろう。
にーのは赤崎に腕を引かれてあっさり行ってしまう。

いろいろ思うところはあったけれど、なぜだか全部面倒になってしまった。
俺はそのまま家に帰った。

つづく

いい雰囲気で進んできたのに、にーのに中学時代の友人が現れた。
なんだか投げやりになった犬伊だったが・・・。