朝起きた。

リビングへ行き、妹が作ってくれた美味しいごはんを食べた。

身仕度をした。

時間が来た。

さぁ! 学校に行こう!

・・・何か忘れてる気がする。

昨日からずっと考えていた事が…なんだっけ?

学校に着いて、すぐに思い出した。

昨晩、ずっと考えていたメールの内容が思いつかず、結局送ることを断念したのだった。

どうして思い出したかって?

だってさ、羽島さんずっとこっちを睨んでるんだもん。

まぁ、とりあえず謝りに行くか。

大野信一

羽島さん‥‥

羽島桜

なんでしょう? 大野くん

うわ~、何か笑顔が恐え~。

大野信一

昨日の事なんだけど…

羽島桜

え? メールの事ですか? 別に全然これっぽっちも怒ってませんよ? 本当ですよ?

ほら、やっぱり怒ってる。

だって、まだ何も言ってないのに…。

大野信一

本当にごめん。今日は絶対に送るから許して

羽島桜

・・・忘れてたんですか?

大野信一

いや、ずっと本文考えてたんだけど…思いつかなかったから…

羽島桜

そーですか!

すると、羽島さんは一瞬で表情が変わった。

羽島桜

ならしょうがないです! 一言でもいいから、メールを来れてもよかったんですよ?

大野信一

そんなもんでいいの?

羽島桜

はい! 全然大丈夫です!

大野信一

わかったよ。今日は送るから!

羽島桜

わかりました! 待ってます!

そのまま、約束を忘れることなく家に帰ってすぐに、一言メールを送った。

そして、少しの会話を交わし、彼女とのメールを終えた。

いやー、今日は忘れずに出来てよかった~。

~翌朝~

朝起きた。

妹が作ってくれたご飯を幸せな気持ちで食べた。

身仕度をした。

時間が来た。

さあ、昨日はメールを送ったし、今日は大丈夫だ!

羽島桜

ん~…

えー、何でまた怒ってるの?

昨日、メールで話した時は怒ってなかったのに~。

そしてこの日、一度も目を合わせてもらえなかった。

放課後…謝りに来ない俺にシビレを切らしたのか、今日は彼女から俺の方にやってきた。

だって、何を謝ればいいのかわからないしね‥。

羽島桜

なんですか…このメールは…

彼女が差し出して来た携帯には、

お試しメール

と書かれていて、特に絵文字などはなかった。

・・・

俺ですが何か?

だってさ、一言でもいいって言われたし、何を送ればいいかわからなかったんだもん。

羽島桜

まあ、これはいいですよ。私は、

羽島桜

誰ですか?

羽島桜

って返しましたよね?

大野信一

うん

羽島桜

これは何ですか?

大野

・・・

名前を聞かれたから答えただけですが…。

何か悪いことしたかな?

羽島桜

何で名字しか書かれてないんですか!? 普通は会話をもっと続けさせる工夫とかしてくるはずでしょ? 名字しかないと反応に困るじゃないですか!!

大野信一

うっ…ごめん

なんでそれだけで、こんなに怒られなきゃいけないんだよ…。

羽島桜

まぁ、これもいいですよ。

あ、いいんだ。

羽島桜

問題はこれです!私は

羽島桜

よろしくお願いします!

羽島桜

って返しましたよね?

大野信一

そーだね

羽島桜

これは何ですか?

(・ω・)ノ

大野信一

こればっかりは、完全にふざけたからね‥
何も言い訳はないよ。

羽島桜

意味がわかりません!! 何ですかコレ!! 私と話す気あるんですか? さっきの倍以上、反応に困りますよ! まったく意味がわかりません! 大事なので2回言いました!

大野信一

あ…えっと…ごめんなさい

羽島さんってこう言うキャラなのかな?

イメージとだいぶ違う。

羽島桜

最後に1つあります

大野信一

はい…

今度、言われる事は大体わかる。

羽島桜

わ、私も大野くんに合わせて、

羽島桜

(。・ω・。)ゞ

羽島桜

って返しましたよね? 覚えてますか?

大野信一

うん、覚えてるよ

羽島桜

じゃあ何ですか、これは?

その時、なぜか彼女は笑った。
大体、理由はわかるけどね‥。


今度彼女は、「私の気遣い返してください!」って言うはずだ。

羽島桜

私の気遣いってなんですか!? もう訳がわかりませんよ!

あれ? 少し違ったか。
でも、大体あってるな。

・・・ごめんなさい。ノリに乗ってくれていたのはわかっていて‥意地悪したくなりました‥。

とりあえず、謝ろう。

大野信一

本当にごめん。女の子とのメールには慣れてなくて…。一つ言う事を聞くから許して?

羽島桜

!!

あ、反応した。

羽島桜

な、何でも言う事を聞いてくれるんですか!?

大野信一

うん、一つだけなら…

あれ? 何で顔が赤いの?

羽島桜

それでしたら…私を‥

羽島桜

名前で‥呼んでください…

大野信一

え? なんだって? 最後が聞き取れなかったんだけど…?

羽島桜

で、ですから、私を名前で呼ん…

早川実

信一、一緒に帰ろ~

羽島さんとの大事な話(?)の間に割って入ってきたのは他でもない、実だった。

早川実

ねー、早く~

羽島桜

うるさいです! 悪いんですが、取り込んでるんで、外で待っていてください!

早川実

え~? どこが取り込んでるの~? 見る限りじゃ、もう話は終わった感じだったけど~?

羽島桜

どこをどう見れば終わってるんですか!

早川実

どっからどう見ても終わってるじゃん!

なんなんだ…この状況は…。

不幸中の幸い、放課後で教室には俺達だけだが…。

羽島桜

あなたは何者ですか? この前も同じ様なタイミングで来て、邪魔して!

早川実

私は信一のお・さ・な・な・じ・みだもん! 信一に様があって当然でしょ? あなたはなんなの?

羽島桜

わ、私は同じクラスの友達ですが…

早川実

ふ、そうでしょうね

もう見てられん!

この状況をなんとかしないと!

大野信一

おい、もうその辺にしとけって…

羽島桜

あなたは‥

早川実

‥引っ込んでて!

おい、何で台詞被ってんだよ。

てか、何で名前も知らない、初絡み同士が喧嘩できるわけ?

しかも、理由が「話の途中に入ってきたから」って…小学生かよ。

・・・

そんな事を言ったら、また何か言われそうだから口には出さないけどね。

羽島桜

ん~~~!!

早川実

ん~~~~!!

両者はしばらく睨みあったが、すぐに決着はついた。

羽島桜

私、帰ります!!

早川実

じゃ~ね~

羽島桜

ん~~~~

なんか、見ててこっちも疲れるな。

そして、羽島さんは教室を後にした。

早川実

じゃあ、帰ろ~

大野信一

お、おう‥

いつもの様に、俺と実は肩を並べて、愚痴を聞かされ、罵られながら帰った。

なんだよ…まったく…。

家に着くと、携帯が光ってるのがわかった。

大野信一

これは…羽島さんから?

今日はごめんなさい

また、明日から仲良くしてくださいね?

どうやら、今日の事を謝って来たようだ。

なんか、俺が謝る立場なのに、先に謝られると困るな。

自分の部屋のドアを開け、ベッドに腰を下ろした時、決意がついた。

よし、返信しよう。

いえいえ、俺が悪いんだから謝らないでよ!

本当にごめんな。

また明日からよろしく!

あと、俺の事も信一でいいよ。桜!

ふー、こんなもんか。

大野美智留

兄さん! ご飯できたよ

大野信一

お! 今行くよ~

携帯をベッドに置き、すぐに妹の待つリビングへと向かった。

あー、腹減った。

羽島桜

う~~~~~

枕に顔を押し付け、起き上がることができなかった。

羽島春木

ねーちゃんご飯!

弟がドア越しに何かを言っているが、まったくわからない。

だって…だって…

羽島桜

信一くん! 大好き!

第4話 ユーガッタメール! 

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