リリアーヌ

二人ともごめんね、もう大丈夫よ。

カイト

リリアーヌ、無理はするなよ。

リリアーヌ

えぇ、ありがとう・・

カルマ

やはり隊長が裏で糸を引いているらしいな・・・実はさっきこれを発見した。

カルマが取り出したのは鍵のかかった日記帳のようなものだった。

リリアーヌ

それ、どうしたの?いつの間に・・

カルマ

さっきの戦闘のあと、これが落ちていたんだ。もしかしたらまだ正気だったティナが俺達へ渡すために持ってきたのかもしれない・・

カイト

中を見てみよう、これくらいの鍵なら針金で開けられそうだ。

カイトが電気コードを留めていた針金を使って何度か試すと、意外にもすぐに外れた。

リリアーヌ

このタイトルの
“human experimentation” 
って人体実験って意味よね・・?

カルマ

さっきのヌラの件で大体予想は付くが、やはり隊長が・・・

そこにはティナが怪我をして搬送されてからの出来事が綴られていた。



―――

○月×日

アリア隊員だったティナが右半身を負傷。
能力も高かった為良い結果が得られそうだ。
実験用のカプセルに入れて一晩様子を見ることにする。

――――――

○月□日

どうも負傷部分の損傷が激しく良い結果が出ない。
これでは人型を保ったままモンスター化するのは難しそうだ。
仕方ないのでヌラを作る物質を負傷部分へ取り付け融合させることにする。

―――

○月△日

ヌラの体の浸食力がとても高い。
既に右半身はヌラの体で覆われている。
時折こちらを見ているようだが、まさか意識があるのだろうか?

―――

○月○日

やはりまだ意識があるようだ。
こちらが動く方向を目で追ってきている。
明日カプセルから取り出し処分してしまおう。

日記はここで終わっていた。
最後の日付が昨日だから、おそらく今日カプセルからティナを出した際に逃げられたのだろう。

カルマ

まさかほんとにこんなことが行われていたなんて・・・

カイト

前にユウリが言っていた地下へ負傷した市民が運ばれていたというのも本当だろうな。

カルマ

あぁ、きっとその市民達をヌラにしていたんだろう・・・・なんと恐ろしいことだ。

リリアーヌ

このことは知らないフリをして様子を見ましょう。下手に行動すると危険だわ。

カイト

そうだな、その方がいい。

カルマ

はぁ、しかしこんなことが実際に起こり得るなんて・・・現実味がない。

その後は各自で夕食を取り、全員応接室で休眠することにした。

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