俊之は今日もバイトだった。

バイトから帰って来ると、先ずシャワーを浴び、
その後に夕飯を食べる。

その後、俊之は自分の部屋へ行く。

そしてバイトで遅くなった時は、
絵美に電話をする。

バイトが早く終った時は、
少し休んだ後、勉強を始める。

そして勉強をしていても、
大体9時から10時の間に絵美に電話をする。

今日は家に帰って来たのが夜8時過ぎだった。

自室に戻って来ると、
もうすぐ9時になろうとしていたところだ。

俊之は先ず、CDプレーヤーに
CDを一枚入れて、スイッチを入れた。

入れたCDはアズテックカメラの
ストレイというアルバムだ。

俊之はそのCDの中の
クライングシーンという曲が好きだった。

クライングシーンはアルバムの
二曲目にクレジットされている。

俊之はそのクライングシーンを
聴き終えるとプレーヤーを止めた。

そして時刻が9時を回ったのを確認してから、
絵美に携帯で電話を掛ける。

俊之

こんばんは。

絵美

お疲れ様~。

俊之

昨日はあの後、どうなった?

絵美

うん。
由佳、泣いていたよ。

俊之

そか。
悪い事をしちゃったかな!?

絵美

俊君、全部、解っていたの?

俊之

全部って!?

絵美

由佳が怒ったり、泣いたりする事。

俊之

ああ、同情すれば、
怒るとは思っていたけど、

絵美

そっか。

俊之

泣くとまでは考えていなかったよ。

絵美

そうなんだ。

俊之

一回、思いっきり頭に血を上らせれば、
すっきりするんじゃないかって、
俺はそう思っていたんだけどね。

絵美

なるほどね~。

俊之

それで、どうよ?

絵美

う~ん。
まだちょっと、
よく分からないかな。

俊之

そか。

絵美

昨日の今日だからね~。

俊之

だね。

絵美

でも、何ていうんだろう。

俊之

うん。

絵美

いい感じ!?っていうのかな。

俊之

何、それ!?

絵美

由佳、前に川崎君と
付き合っていて、
お父さんに別れさせられたでしょ。

俊之

うん。

絵美

その時はすぐに復活したんだよね。

俊之

そうなんだ。

絵美

それで、その時と
同じ様な感じっていうの!?

俊之

うん。

絵美

だから、復活しそうな
気配はあるって感じ。

俊之

じゃあ、大丈夫そうだな。

絵美

うん~。

俊之

ふふふ。

絵美

どうしたの?

俊之

いや、絵美って、
電話をしていても可愛いなって。

絵美

何を言ってるのよ、もぅ~。

絵美は少し照れている様だった。

俊之

取り敢えずさ。

絵美

うん。

俊之

再開をしよう。

絵美

うん。

俊之

これ以上、
同情すんのも佐藤に悪いし。

絵美

そうだね。

俊之

ただ期末テストが終わるまでは、
デートとかしてる時間はないけど。

絵美

えー!?

俊之

バイトのない時は、
一緒に帰ったりしよう。

絵美

うん。
今度はいつ休み?

俊之

明日。

絵美

そうなんだ。

俊之

だから、明日、
また俺んチに来ない?

絵美

いいよ。

俊之

じゃあ、今日は、
これで俺は勉強をする。

絵美

うん。

俊之

おやすみ。

絵美

頑張ってね。

俊之は電話を切ると、
再びCDプレーヤーのスイッチを入れた。

そしてテーブルの上に勉強道具を広げて、
勉強をし始める。

俊之はこうして、いつも0時から1時くらいまで、
勉強をしているのだった。

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