貴女の秘密を知ってしまった私。
何も出来ないまま、時間だけが過ぎていく。
貴女の秘密を知ってしまった私。
何も出来ないまま、時間だけが過ぎていく。
~conviction~
どうしよう~
はぁ~、
何も思いつかない。
今日も留守番お願いね!
私をおいて、行っちゃうのね。
ちょっと、行かないでよ!
あの秘密を知ってからというもの、
私は貴方の後を追うようになっていた。
だって私では、どうする事もできないのだから。
最近、ついてくるんだよな~
ゴミと思われてるのかな?
君はこっちだよ!
きゃ!
私の想いは伝わらず、貴方に抱えられて
所定の位置に戻されてしまった。
嬉しいんだけど、
今はそうじゃなくて・・・
じゃ~ね!
そう言って、貴方は今日も出かけていく。
そして・・・
掃除も終わったし、散歩してくるね!
毎日同じところに散歩に行かなくても
たまには、一緒に居ようよ!
嫌よ!
ちょっとでも、
アンタと離れたいんだから。
そんな~
アンタはアンタで勝手にやりなさい。
貴女は今日もまた一人であの部屋に向かって行った。
そして、いつものように物音が聞こえる。
さて、今日は何を探そうかな!
学生時代のアルバムが、此処にあった筈
このデータは高く売れる!
駄目だよ~
そんな事しちゃ!
本来の貴女に戻ってよ!
そんな事する子じゃないでしょ!
そう言いながら、私は貴女に衝突した。
その衝撃でアルバムの転送が止まる。
私に出来る事なんて、こんな事くらい・・・。
邪魔しないでくれる!
いい加減、目を覚ましたら?
いつまで寝てるつもり?
黙れ!
コイツには何も響かない。
聞こえていないのだからな。
そんな事ないもん。
今日がダメでも、
明日は変わるかも知れないもん。
だから私は諦めないもん!
馬鹿か、お前は!
ただの掃除ロボが、何を言っている!
今は邪魔するしかできないけど・・・。
私が私自身の可能性を、
否定したくない。
たとえ貴女や周りが何と言おうともね!
うっとしいわ!
興覚めだ!
今日はコイツを開放してやる。
ただ、次はこうはいかないぞ!
私は貴女の背中のランプが消えている事を確認して
その場に倒れこんでしまった。
目の前が真っ暗になり、ふたたび目を開けた時には
いつのも場所に戻っていた。
戻った記憶なんてどこにもない。
貴方と貴女を守れたのかな?
アンタいつまで寝てるのよ。
早く起きなさい!
邪魔よ!
ごめんね。
でも大丈夫なの?
まだ寝ぼけてるの?
バッカじゃない!
良かった!
きっと私はこの時に確信したんだ!
小さな積重ねが大きな一歩に繋がる事を・・・。
そして・・・。
私と貴女の闘いの幕が開けたんだ。