貴女の秘密を知ってしまった私。
何も出来ないまま、時間だけが過ぎていく。

~conviction~

どうしよう~

はぁ~、
何も思いつかない。

貴方

今日も留守番お願いね!

貴女

私をおいて、行っちゃうのね。

ちょっと、行かないでよ!

あの秘密を知ってからというもの、
私は貴方の後を追うようになっていた。
だって私では、どうする事もできないのだから。 

貴方

最近、ついてくるんだよな~
ゴミと思われてるのかな?

貴方

君はこっちだよ!

きゃ!

私の想いは伝わらず、貴方に抱えられて
所定の位置に戻されてしまった。

嬉しいんだけど、
今はそうじゃなくて・・・

貴方

じゃ~ね!

そう言って、貴方は今日も出かけていく。
そして・・・

貴女

掃除も終わったし、散歩してくるね!

毎日同じところに散歩に行かなくても
たまには、一緒に居ようよ!

貴女

嫌よ!
ちょっとでも、
アンタと離れたいんだから。

そんな~

貴女

アンタはアンタで勝手にやりなさい。

貴女は今日もまた一人であの部屋に向かって行った。
そして、いつものように物音が聞こえる。

貴女

さて、今日は何を探そうかな!

貴女

学生時代のアルバムが、此処にあった筈
このデータは高く売れる!

駄目だよ~
そんな事しちゃ!

本来の貴女に戻ってよ!
そんな事する子じゃないでしょ!

そう言いながら、私は貴女に衝突した。
その衝撃でアルバムの転送が止まる。
私に出来る事なんて、こんな事くらい・・・。

貴女

邪魔しないでくれる!

いい加減、目を覚ましたら?
いつまで寝てるつもり?

貴女

黙れ!
コイツには何も響かない。
聞こえていないのだからな。

そんな事ないもん。
今日がダメでも、
明日は変わるかも知れないもん。
だから私は諦めないもん!

貴女

馬鹿か、お前は!
ただの掃除ロボが、何を言っている!

今は邪魔するしかできないけど・・・。
私が私自身の可能性を、
否定したくない。
たとえ貴女や周りが何と言おうともね!

貴女

うっとしいわ!
興覚めだ!
今日はコイツを開放してやる。
ただ、次はこうはいかないぞ!

私は貴女の背中のランプが消えている事を確認して
その場に倒れこんでしまった。
目の前が真っ暗になり、ふたたび目を開けた時には
いつのも場所に戻っていた。
戻った記憶なんてどこにもない。

貴方と貴女を守れたのかな?

貴女

アンタいつまで寝てるのよ。
早く起きなさい!
邪魔よ!

ごめんね。
でも大丈夫なの?

貴女

まだ寝ぼけてるの?
バッカじゃない!

良かった!

きっと私はこの時に確信したんだ!
小さな積重ねが大きな一歩に繋がる事を・・・。

そして・・・。
私と貴女の闘いの幕が開けたんだ。

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