第2章

月代駅から新宮宅がある星華市の最寄駅、星華中央駅までは3駅、時間にして16分といったところだ。
沙耶とくらら、彩乃と楓の3人は車両の中央よりに、その他はドアの周辺に位置していた。

藤沢 沙耶

電車やバスって…苦手なの。ううん、苦手というか…気が引けると言うか…。

美波 綾乃

…わかります。この羽…意外に嵩張りますから…。

雨宮 楓

私たち中位天使ではわからない苦労があるのですね…。

新宮 くらら

綾乃は羽2枚でしょ?私なんて4枚よ?

美波 綾乃

聖天使さまは6枚ですしね?

そこへ大きな胸を揺らしながら美琴がやってきた。

本城 美琴

電車が揺れているからよ?私が意図的に揺らしているわけじゃ…ってそんなのどうでもいいわね。

藤沢 沙耶

美琴の胸は大きいものね。今度また触っちゃおっと…。

本城 美琴

沙耶さまが望むなら私は…。って、そんなことより、沙耶さまなら飛べるんじゃない?って言いたかったの。校舎の屋上からなら行けそうじゃない?

藤沢 沙耶

はうっ?や、やらないわよそんな怖いこと…

美波 綾乃

私期待しちゃうなぁ☆優雅に宙を舞う聖天使さま。はぁ、きっとお美しいのよ

藤沢 沙耶

そんな目で見られても…嫌、絶対にやらないからね!第一、揚力はないんだから落ちるだけでしょ?

沙耶は本気で嫌がっていた。

神林 玲奈

あら?皆さんご存知ないのですか?

美波 綾乃

何をです?生徒会長の体重が1.5kg増えたことですか?

新宮 くらら

ど、どうしてそれを知っているの???

藤沢 沙耶

図星?

新宮 くらら

あわわっ。な、なんでもないわ~。

神林 玲奈

誤魔化してる…。じゃなくて、その羽意思だけで動くんですよ?

藤沢 沙耶

えっ?そうなの?

神林 玲奈

その制服は最新の制御ロジックが組込まれています。脳波と神経伝達の電気信号を感知して羽が動くように設計されています。

雨宮 楓

へぇ…って私には何を言っているのかぜんぜんデス…

神林 玲奈

ですから、閉じろ~と念じれば羽が自動で閉じるのです。指先のセンサーと首元のセンサーを起動してあげれば…沙耶さま?如何です?

藤沢 沙耶

わ、本当に動いた!

新宮 くらら

そう言えば…生徒会で上位天使の制服を担当したのが玲奈だったわね。初めに言って欲しかったわ…。

藤沢 沙耶

開くとどうなるのかしら?う~ん…えいっ!

宮本 桜

わぁ…今にもお空を飛んで行けそうですね!

本城 美琴

沙耶さま?屋上…決定ですね?楽しみです。

神林 玲奈

大丈夫ですよ?滑空は出来ますから。

藤沢 沙耶

い、いや…高いところから飛び降りるなんて絶対に嫌…イヤなのぉ!!

沙耶の運命は???などと引いてみたところで、電車は星華中央駅に到着した。

美波 綾乃

すごい便利~~♪モット早く知りたかったなぁ。

若干一名浮かれている人物もいた。

続く

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