第3話
第3話
星華中央駅からバスに乗り換え10分程揺られた。
バスの車内は電車のそれより狭い空間であったが、玲奈に教えて貰った羽の収納方法により沙耶たちはトラウマを克服したようだった。
最寄のバス停で一行はバスを降りた。
ここからくららの自宅までは徒歩で5分ほどだ。
同じく聖エルオール学院へ編入する前の沙耶の元自宅も。
懐かしいわ。私もここに住んでいたの。
近所だったのよね。沙耶が編入してくれたのはうれしいけれど…ちょっと微妙な気分。
歩みを進めると、白い塀で囲まれた広大な敷地の家が見えてきた。
ほら、ここがくくらのお家よ。
えっ?ちょ、ちょっとスケールが大きすぎませんか?
広いお家ですね…私の家とは大違い…。
楓のお家だって広いじゃない。生徒会長のお家が広すぎるのよ。
くららが門の脇で網膜スキャンを実行する。するとくくらを認識したシステムが門を解錠した。
さぁ、どうぞ?
一行は新宮宅の敷地へと足を踏み入れた。
門からくららが生活をしている本宅まで徒歩で3分。
普通では考えられない不便さだ。
しょ、しょうがないでしょ?私が建てたわけじゃないんだからっ。
くらら?誰に向かって話してるの?
作者よ!あのバカ絶対良くないこと言ってる。
あはは…。
本宅に到着した。
くららがドアを開けようとした矢先、ドアの方から開いていった。
そして中から一人の女性が現れた。
あらぁ~沙耶ちゃん☆今日はおばさんに会いに来てくれたの?
その人物はくららの母である新宮芹香だった。
い、いえ…そういうわけじゃ…。
あらあら…それは残念。なんてね☆
お久しぶりですおば様。
作者から聞いているわ。今日はお茶会なんですってね?美味しい紅茶を用意するわね。
わぁ、ありがとうございます。
だから、おばさんのお部屋にも来てね?裸で待っているわ。
すかさずくららが沙耶と母の間に立った。
お母さん?沙耶は私の彼女なの!寝取ろうなんて…そうはいかないわ。
ふふっ…大人の魅力を沙耶ちゃんに教えてあげなきゃね?
ダメ!沙耶は若いコが好きなんだからっ。
くららは芹香が21歳のときに生んだ子供なので、現在39歳で…
こらっ!私の年齢なんて説明しなくていいの!
も、もう…アラフォーは出てこないで!
が、が~ん……沙耶ちゃん、くららが虐めるの…。
だから、沙耶にくっつかないで…って徐に脱がないで!
くららと母親のやり取りを唖然として見ていた一行。
い、いつもこんな感じなの…この親子…?
普段は普通なんだけど…っていうか、素敵な親子なんだけどね?
いつものPixivを抜けてストリエに進出したから特別バージョンでお送りしております。
主天使さま?
だって…渡されたこの紙に書いてあるから…。
まるで作者の遣いですね!
縁起でもないこと言わないで!
暫くして一行は家の中へと通された。
続く。