とある土曜日の午後、聖エルオール学院の8名の天使たちは月代駅前で待ち合わせしていた。今日は選抜メンバー全員によるお茶会が開催される。この企画を言い出したのは、聖天使の藤沢沙耶だった。
とある土曜日の午後、聖エルオール学院の8名の天使たちは月代駅前で待ち合わせしていた。今日は選抜メンバー全員によるお茶会が開催される。この企画を言い出したのは、聖天使の藤沢沙耶だった。
コンテストで選ばれた私たちだけど、全員揃って何かをするっていうこと…なかなか無いわよね?何かの縁だと思うし、みんな揃ってお茶会をしましょう。
聖天使の沙耶の提案に反論する者はいなかった。そう、沙耶とくららに逆らえる者はいないのだ。くららは沙耶より1階級下だが、生徒会長にジョブチェンジが可能であり、立場的にはほぼ同等だ。
駅前のモニュメント…題名:百合の天使たち…を横目で見ながら一行は沙耶の到着を待っていた。
ね、ねぇ…このモニュメント…こんなのだったっけ?
気になっていたが、誰も敢えて触れなかったことを口にしてしまったのは力天使の雨宮 楓だ。
今回限りみたい。それにしても…お姉さまと生徒会長に似てるよね…。
それに律儀に答えるのは楓の友人でもある能天使の宮本 桜だ。ふたりはモニュメントを眺めていたが、楓が何かを見付けたようで声をあげた。
あっ、見て?ここに作者名が彫ってある…。
しゃがみこんで作者名を見た楓は、LV5の麻痺状態に陥った。
どうしたの楓?
桜は動かなくなった楓を横目に、自分もしゃがみこんで見てみた。
作者: 新宮くらら………えっ?
桜も石のように硬直した。
本当にあのひとは…どうせ沙耶様と恋人同士の関係になれたことを記念してのモニュメントなんでしょうけど…それにしてもちょっと美化し過ぎじゃない?沙耶様の胸はこんなに大き……うっ。
モニュメントと向き合って語っていた本城 美琴。突然絡み付くような視線…殺気を感じて思わず口をつぐんだ。その直後。
お待たせ♪皆揃ってるかしら?
沙耶が到着した。その隣には当然の様にくららの姿があった。
そう言えば美琴…私の胸がどうの…って言ってなかった?
えっ?い、いえ…沙耶様のお胸は綺麗な形で羨ましいと思って…。
ふ~ん?美琴いつもFカップの胸を自慢していたじゃない?私のDカップの胸なんて興味無いって言っていたわよね?
お姉さまはDカップ……ドキドキ。
Aカップの桜の視線がやらしい…。
楓?余計なこと言わないで…。
話を戻すけど…やっぱり胸は形が大切だって気付いて…ですから、今から触らせて下さい。
良いわよ?はいっ。
い、いきなり制服をたくしあげて胸を見せるなんて…沙耶っ。
あう……。
私…見てしまいました…智天使様が吹き矢で主天使様のことを……ガクブル。
あら?渚が喋るなんて珍しいわね?
SOUND ONLYなので誰かが状況を説明しないと…
沙耶?他の女の子に胸を触らせるなんて…浮気よ?浮気したら…どうなると思う?ニコッ。
わ、私は聖天使として皆に…。
裸を見せる必要はないでしょ?
はい…ごめんなさい…。
生徒会長…こわっ。
くらら… そんなに怒っちゃイヤ。
はいはい、そろそろ電車に乗らないとお茶会出来なくなっちゃうよ?
彩乃…何故そんなに説明的なセリフなの?
お茶会の会場は生徒会長のご自宅だと聞いております。午後も2時ですしギリギリですよ?
そうなの?知らなかったわ。
私も…そうと知っていたらお家で待っていたのに…。
作者の思い付きに付き合わされるのも疲れるわ…。
お姉さま…それは禁句です…
一同は時間の制約という外的要因を受けて、電車にのるため駅構内へと向かった。
続く…