神 斬
髪 切 り屋

七の巻 龍虎 序章

イワナガヒメ

珠子(たまこ)だよ。
六の巻では、珠子が大活躍だったよね。

時周
イワナガヒメ

えっ?この物語を書いている
時周おじいちゃんのところに届いてる、六の巻を読んだ読者さんからの感想は、朱右さん以下、登場人物の皆様に、珠子は助けてもらっただけ、だったって言われてるですって。

イワナガヒメ

それはごめんなさい。

イワナガヒメ

でも、七の巻の案内人を、時周おじいちゃんに任されたって事は、いよいよ、珠子にも運がむいてきたってことだよね。
なんてったって、七はラッキー7(セブン)といって幸運の数字なの。
昔から、珠子はなぜか運がわるいから・・・

イワナガヒメ

それでね。珠子は弱いんだけど、本当は妹の桜子よりは年上なんだよ。
見た目は子供みたいなんだけど、この七の巻では、優しくて強い、朱右さんのために珠子が大活躍するのです。

イワナガヒメ

六の巻の戦いが終わった後、珠子は朱右さんと仲良くなって珠子が操縦していた岩人形、ブサイク岩子さんの装甲の改修を手伝ってもらったんだよ。

イワナガヒメ

さすがは、女の子の髪型を切っているお仕事をしている、朱右さんが考えた装甲デザインはすごくかわいくなっちゃってます。

イワナガヒメ

今の岩人形の岩子さんで、はじめて出会っていたら、当時のニニギさんも、珠子のこと好きになってくれてたのかな?

イワナガヒメ

まー、今となっては、それもどうでも良いことです。
なんてったって、珠子は今、朱右さんが大好きでニニギさんのことはどうでもよいから・・・
しかも、ニニギさんは妹の旦那様ですし。

イワナガヒメ

今の珠子は朱右さん一筋なのだから
これからは朱右さんに、好かれるために

イワナガヒメ

ちょっと怖い白狐のお姉ちゃん(稲荷)
妾(わらわ)の妹、桜子(コノハナサクヤ)
日出ずる国の最高神 鏡子さん(天照大神)
並み居る、恋のライバルな美人さんに勝たなければならないのです。

時周
イワナガヒメ

なんですって、時周おじいちゃん
この物語を読んでいる、読者さんからのつっこみですって。

イワナガヒメ

誰も朱右さんを狙っている
ライバルじゃない・・・
しかも、桜子さんは人妻だって意見がきているですって

イワナガヒメ

わらわは、白狐のお姉ちゃんは朱右さんを、狙っていて怪しいと思うのですが。

時周
イワナガヒメ

なんですって、時周おじいちゃん
アドバイスまで言ってきた人がいるのですか。

イワナガヒメ

ふむふむ、なんと、最強の恋のライバルは正体が、わからない人がなることが多いのが物語の常なのね。

イワナガヒメ

あっ、いろいろと、お話をしすぎちゃってごめんなさい。

イワナガヒメ

では、案内人としての本題
今回の七の巻のお話は、とっても強いライバルの二人と、大喰らいの白狐のお姉ちゃんと、人の驕り(おごり)についてのお話

イワナガヒメ

そして妾(わらは)
現代名 大山珠子
神体名 イワナガヒメ の
珠子が本当に大活躍するお話。

イワナガヒメ

あと余計な説明かもしれませんが
驕り(おごり)は、食事を奢る(おごる)って意味じゃなくて
驕り高ぶるのほうですよ。

時周
イワナガヒメ

えー、また読者さんからの、つっこみですか?

なになに、いままで、零の巻から続いてきた、古典の引用は今回はお休みかって?

イワナガヒメ

じゃあ、こんなお話はどうでしょう

別の時空の絶世の美女といわれし
小野小町さんがよんだ詩(うた)

花の色は、うつりにけりな、いたづらに、わが身世にふる、ながめせし間に

古今集 小野小町

イワナガヒメ

現代語訳は
美しかった桜の花の色はすっかり色あせてしまったのですね。
それと同じように、私の容姿もすっかり衰えてしまいました。
桜に降る春の長雨を眺め、むなしく恋のもの思いにふけっている間に・・・。

イワナガヒメ

この詩(うた)はどうやら妾(わらわ)ではなく、妹の桜子(コノハナサクヤ)を、たとえて読んだ詩なのかもしれませんね。

イワナガヒメ

妾は、長い時を生きる神様なので、なかなか大人になれないで
子供のままなのですが、大人になれば絶世の美人になれるはずじゃ
妹の桜子が日出国(ひいずるくに)で一番美人の神様といわれておるからのぉ。
大人になれば、朱右さんのハートもがっちりつかめるはずなのです。

イワナガヒメ

しかし、読者さんの言っていた
まだ見ぬ、恋のライバルなどというものが本当にいるのだろうか?
そんな人がいるなら、正体が知りたいものです。

 神 斬
髪 切 り屋



          七の巻 龍虎に続く

神 斬 髪 切 り 屋 七の巻 龍虎 序章

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