美由と喧嘩して一週間が経った。
もっとも、俺が買ってきたプリンを二人で食べるという儀式を経て、既に美由との仲直りは済ませてある。
この日、美由はスーパーのバイトがあり、俺は仕事が休みだった。
なのでいつもなら部屋でゴロゴロするところなのだが、職場の先輩が訪ねてくる予定なので部屋を片付けておく必要があった。
というのも、使い古しの大きな食器棚をもらえることになり、届けにきてくれるというのだ。
俺は掃除をしながら、美由と喧嘩した時のことを思い出した。
今更蒸し返すことでもないのだが、喧嘩の時に俺がひどいことを口走ってしまったのにはそれなりの理由があったのだ。
それを語るには、子供の頃に遡る必要がある。