墓地で美由と出会って以来、俺は美由を喜ばせたくて、コンビニで雑誌を立ち読みしてはうまい店を探し、そこへ彼女を連れ出した。
その甲斐もあってか、美由は最初に会った時とは比べ物にならないほど、よく笑うようになった。
俺の方はというと、完全に美由の笑顔に心を奪われていた。
美由と出会って半年が過ぎた頃には、彼女の方からも、いいお店を見つけたと言って誘ってくれるようになった。
いい店といっても、お互いお金に余裕はなかったので、安い店ばかりではあったが、彼女の笑顔は心底喜んでくれている証であろう。
俺はそう信じている。
本当は少しくらい高い店に行ってご馳走してやりたいと思うが、美由は決して俺におごらせてはくれなかった。