図書館の中へ入ると、まだ午前中であるにも関わらず多くの市民たちがいた。
市民たちは目的の本を探したり、テーブルに腰掛けて読書にふけったりしている。
中には子連れのお母さん的な人もいた。
先ほどのあの子達も、母親と一緒に来ているのかもしれない。
探すとしたら児童書や絵本が置いてあるコーナーだと思い、館内でそのような本が置いている場所を探して回った。
図書室の一番奥の方に、木造の壁で仕切られた場所を見つけた。
入口には『児童書コーナー』と書いてある。
中の壁や床は子供向け番組のように、赤、青、黄色、緑とカラフルで、積み木やおもちゃも置いてあった。
さて、そこで僕は首をかしげる。
お利口さんにお座りして絵本を広げている子、積み木を積み上げている子、仕切られた児童書コーナーのスペースをぐるぐる走り回ってる子。
それらの小さな子供たちに囲まれて、高校生のはずの山根さんが中央に座っていた。
山根さんは絵本を開き、真剣な顔でじーっと見ている。