町の南東にある大広場へとやってきた。

逃げようとする市民を大量のヌラが追いかけていた。
ざっと見ただけでも50体以上はいるだろう。

ユウリ

うわ、こりゃ酷いな・・・・

リリアーヌ

こんなにたくさん・・・!?

カイト

しかも市民がいるから下手に魔法攻撃は使えないな。

リリアーヌ

二手に分かれましょう。私とカイトは市民の誘導、ティナ・カルマ・ユウリはヌラの退治をお願い。私達も終わり次第すぐ戻ってくるわ。

ティナ

流石リリアーヌ、私達3人が魔法攻撃得意って分かってるわね。

リリアーヌ

もちろんよ、じゃあ行きましょう!

私はカイトと一緒に市民の元へ向かった。

カイト

皆さん、落ち着いてください!アリア隊です、俺達の後に付いてきて下さい!

ざわついていた市民も私達の姿を見て安心したようだ。

先頭はカイトでその後を市民が続いて行き、私は最後尾についた。
市民の数は40名ほどで列を乱すことなく順調に進んでいる。

このままいけばあと5分ほどでアヴィスに着く。
みんなは無事だろうか、早く応援に行かないと・・・

ティナ達の事が気掛かりで油断していた私は、後ろにヌラがいる事に全く気が付いていなかった。

少年

お姉ちゃん、後ろ!!!!

リリアーヌ

えっ?

男の子が怯えた顔で私の後ろを指差した。振り返ると目の前にヌラの巨大な目玉が迫っていた。

少女

くっ・・・!!

咄嗟に腰袋に入れていた小刀を取り出してヌラの目玉へ突き刺した。

ヌラ

ぐぎょおおおおおおお・・・

リリアーヌ

きゃあぁっ!?

体をくねらせながら突進され突き飛ばされた。
ヌラの体に触れた腕が熱くてヒリヒリする。

カイト

リリアーヌ、そのまま動くな!!! アクアバースト!!!!

ヌラ

ぐぎゃあああおおおおお!!!!

カイトの援護によりヌラは消滅した。

リリアーヌ

カイト、ありがとう・・・

カイト

大丈夫か!?怪我は??

カイトは切羽詰まった顔でこちらに駆け寄ってくる。

リリアーヌ

腕を少し火傷しただけよ。服の上から触れたから、そこまで酷くないわ。

カイト

それなら良かった・・・とにかく急いでアヴィスに向かおう。

リリアーヌ

えぇ、そうね。

少年

お姉ちゃん、大丈夫?

リリアーヌ

大丈夫よ、ありがとう。さぁ、モンスターが現れない内に早く行きましょう!

心配そうに見つめる男の子に優しく頬笑み、再びアヴィスへと歩き始めた。

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