俺は今、全速力で走っている。
ミズハナは俺たちのことを『ダーティソルジャー』だと言った。
一体どういう意味なのだろうか?
そして、伝説だった地底獣の復活。
あのチラシに書いてあった事は嘘ではなかった。
地底獣・石鹸……。
人間を操る能力があるらしいが、どうやらダーティソルジャーたちにそれは効かないようだ。
俺は今、全速力で走っている。
ミズハナは俺たちのことを『ダーティソルジャー』だと言った。
一体どういう意味なのだろうか?
そして、伝説だった地底獣の復活。
あのチラシに書いてあった事は嘘ではなかった。
地底獣・石鹸……。
人間を操る能力があるらしいが、どうやらダーティソルジャーたちにそれは効かないようだ。
はぁ、はぁ……
ちょっと、大丈夫?
ちょっと疲れました
少し休憩する?
あ、じゃあ俺コンビニで飲み物を……
馬鹿、捕まりたいの?
あ!
そう、俺たちにはもう逃げ場もない。
施設に入れば捕まるだけなんだ。
しかし、改めて見ると人間ってものすごい多いんだね
これからどうするんですか?
とりあえず僕の家に行くよ、親は海外行ってていないし、もう一人のダーティソルジャーもいる
俺ら以外にもダーティソルジャーが!?
うん
その後、俺はミズハナに言われたルートに従って彼の自宅まで向かう。
途中、何度か一般市民に出逢うが、彼らの目は俺の知っている人間の目ではなかった。
ミズハナの家に到着し、「お邪魔します」と一言。
中に恐る恐る俺は足を踏み入れた。
ようミズハナ! 随分遅かったじゃないか
ごめんよ、ちょっと寄り道してた
そいつは新米か?
あ、はいクソハナといいます!
おれはジーハナ! よろしくな!
あ、はい!
で、これからどうすんだミズハナ
地底獣・石鹸を倒す!
正気か? 倒すって言っても奴は地底にいるんだぞ
それは大丈夫、奴を地上に誘き寄せることはできるよ。ただ……
ただ?
ミズハナは少し間を開けて言った。
勝てるかどうかは正直……
確かにそうだ。
地底獣というくらいだし、相当大きくて恐ろしく強いのだろう。
そんな生物に俺たち人間が敵うとは思えない。
あのー、そういえば一つ聞きたいことが
ん?
その、俺たちダーティーソルジャーって結局何ですか?
それについては、俺から説明しようか
ダーティーソルジャーとは、800年前に今と同じように復活した地底獣と戦った、勇敢な戦士達のことさ。
そして、地底獣を封印し、見事勝利をしたと言われている。
ただ、当時はもっと大勢のダーティーソルジャーがいたらしい。
今は俺たち3人ときたものだ。
とても対等に戦える人数じゃない。
ま、なんとかなるでしょ、あの能力も解放できたことだし
能力?
俺たちダーティーソルジャーにも地底獣のように一人に一つの能力があるんだ。それを目覚めさせられるかは……、そいつ次第だがな
じゃ、じゃあ、俺にも……
あるんじゃないかな、何か能力が
俺は若干テンションが上がった。
自分に他人が使えない能力が眠っている。
それは、今まで特に目立った特徴がなかった自分にとって、初めて自慢できる唯一の力だ。
とりあえず、僕は今から地底獣と戦うよ。勝てるかどうかは分からないけど、すぐにここも見つかっちゃうしね
分かった、俺も行こう
じゃあ俺も……
君は残ってて!
な、なんで!?
クソハナ君はまだ能力解放ができていないからね、今のままじゃ一般人と同じ。悪い言い方してしまうと、正直足手まといになっちゃうんだ
そんな……
大丈夫だって、絶対帰ってくるから! クソハナは気長に待っててよ
わ、分かったよ
こうして二人は家を出て行った。
俺は、彼らならなんとかしてくれると信じて待つしか出来ない。
心の中で勝利を願った。
で、実際どうなんだ? 勝ち筋は
まあ、ね……、薄いよ
だろうな
でも、クソハナくんの手を引っ張ったときに感じたんだ。彼にはものすごい力が眠っている。だから彼は最後の希望だよ、絶対……
へー、会ったばかりなのにな
ふふ……
あれから二ヶ月経った。
結局二人は帰って来なかった。
でも彼らの奮闘のおかげか、この家に襲撃はなかった。
食料はついに底をつき、電気は止まり、水道からは水が出なくなった
雨が降り出した。
俺はバケツを二つほど外に置き、雨水の確保にあたった。
雨に撃たれながら、呟いた。
ミズハナ……
to be continued……
さて、寝るか
続きはいつだ?
お? もしかしてハマった?
うるせぇ!!
【オカルト部編】 第二話『ダーティーソルジャー②』 終