この話の中には、私も貴方も貴女も存在しない。
だけども、私達に関係するかもしれない話。

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工場長

いや~、今日も気持ちいいね!
愉快、愉快。

作業員A

工場長、また飲んでるんですか?

作業員A

ちょっとは、
周りの目を気にして下さいよ!

工場長

んなぁ~事は知らん!
俺はこの中(工場内)じゃ無敵だ!
クビをきる側の人間だからな!

作業員A

従業員側の切り札を忘れてる。
一斉ストライキ!!

作業員A

工場長一派が居るから、
無理だろうけど。

作業員B

アレ、先輩。
ぶつぶつと何を言ってるんですか?

作業員A

ちょっと、心の声が漏れたかな。
ハハハ

作業員B

なら良いですけど。
サクマさんっぽくなってたので、
心配しました。

サクマさんとは、2日前に辞めた従業員である。
辞める1週間前から、独り言の回数が増えて
「一緒に紐なしバンジーをやらないかい?」
と声をかけていた人である。

7日前

サクマ

働いても、
暮らしが楽にならないよ~

サクマ

君はなんで此処に居るの?

サクマ

助けて~、友達が居ないよ~

5日前

サクマ

紐なしバンジーをしないかい?

サクマ

これ以上ない、スリルをあじわえるよ!

サクマ

景観に関するリクエストは、
大抵叶えられるよ。

2日前

サクマ

ちょっとキミ。
何処を見ているだい?

サクマ

ソコは見ない約束じゃないか!

サクマ

僕は解放されたんだ!

サクマ

キミもこちらの世界に来ないかい?

そうして、サクマさんは解放された!
紐なしバンジーを一緒に飛んでくれた人が居たのか
どうかは定かではない!

作業員A

ちょっと、勘弁してくれよ。
あの人と一緒にするなよ!

作業員A

俺はちゃんと働いているぞ!

作業員B

工場長言ってましたよ~
働くのは当たり前だって。

作業員B

我々が頑張る分、工場が潤うって!

作業員B

ホントは、工場じゃなくて工場長自身が
潤うだと思うんですけどね。

作業員A

ホント、それな

工場長

おまれら~
しゃべってても良いけど、手は動かせ~

工場長

俺を見てみろ!
まぬけな印象だけど、ちゃんと
お前らをチェックしてるぞ!

工場長

はい、そこの田中君。
減給1000円です!

何故ですか?

工場長

今、不良品を見逃したね!
次のコンベアの人の仕事が
増えちゃうじゃない!

工場長

君がしなければならない仕事を
見逃したので減給です。

作業員A

工場長、
流石に可愛そうじゃないですか?
入ったばかりですよその子。

工場長

甘いぞ!甘すぎるぞ!

工場長

私は彼にお金を払っている!
であるから、彼はその手のプロだ!
プロは失敗してはならんのだよ!

作業員A

プロはそうですけど、
最近入った子は
まだ経験も浅いですし
数回の失敗はありますよ!

工場長

なにも私はクビとは言っていない。
減給で勘弁しているのだから、
むしろ感謝して戴きたい!

もういいです。
減給でいいです。
でもマイナスになるんですけど?

工場長

それなら、マイナス分は月々
払ってもらおうか?

工場長

君が立派になるころには、
給料も戻っているだろうし。

工場長

働くための講習代だと
思ってくれたまえ!

お支払できなくなるので、辞めます

工場長

残念だね~
ノビシロ有ると思うけど?

別の仕事を探します!
お世話になりました!

マイナスになった直前で、
退職願いを出したので
今までの分は支払ってくださいね!

工場長

残念だね~

失礼します

工場長

たっしゃでな。
プロは甘くないぞ!

そう言い残して、工場を後にする。
工場長が去った後に、あの二人が動き出す!

作業員A

最近入ってくるわりに、
ココに居ないと思ったらそういう事か~

作業員B

あれは酷いですね~

作業員B

そりゃ~、辞めますね!

作業員A

そろそろ我々も、
潜入調査を終わろうか。

作業員A

それなりに報告できる事案が増えたし。

作業員B

そろそろ、限界かもしれませんね。

作業員B

先輩、
あの人に告訴するように頼んできます。

作業員A

人数は多い方が有利だから、任せるよ!

作業員B

はい!

作業員Bは工場を立ち去ろうとする人を
追いかけて行った。
そして場所は変わって!

工場長

なんでしょうか?

社長

そっちは順調かね?

工場長

もちろん、
労働条件を無視して働かせています。
低賃金高労働をモットーにしています。

社長

上手くやってくれよ。
訴えられでもしたら、
今までの苦労が水の泡だから。

工場長

安心して下さい!
仮に頭のいい奴が入ったとしても
そいつを退職させる対策にも
余念がありません。

社長

君は優秀だ!
工場長にして良かったよ!

工場長

光栄です!

社長

本題はここからだ!

社長

うちの製品の一部を
輸出しているのは知っているな。

工場長

もちろんです。
低コストの為ですよね!

社長

そうだ。
その輸出先で作った製品に
ちょっと問題があるんだよ。

社長

あるチップを埋め込んで、
情報を取得して
それを使って儲けているらしい。

社長

ウチの製品を媒体にして
儲けるなんて許せんと
権利料を請求したのだが
門前払いだった。

社長

そんな製品を売った
ウチが困るだろうって
言いおってきた。

社長

取引は中止したが、
もろもろムカつくので
その製品を回収してチップを剥ぐぞ!

工場長

わかりました。

工場長

剥いだチップで、一儲けするんですね!

社長

君は本当に優秀だな!
その責任者を君に任せるぞ!

工場長

ご期待に沿えるように、
プランを練り上げます。

社長

では、失礼した。

こうして、
工場長は謎のチップを有効活用するための
プランを練り始めるのであった。
どのように使用するのか?
潜入調査隊の二人はどうなるのか?
それは、別のお話しで!

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