緊急招集を受けてから数十分後、
アヴィスに到着し、司令室へと向かう。

リリアーヌ

失礼します。アリア隊、リリアーヌです。

扉をノックし中へ入ると、アリア隊の隊長であるマルビスが迎えてくれた。

マルビス

あぁ、入れ。これで4人か・・・空いている所に座れ。

ティナ

リリアーヌ、こっちよ。

名前を呼ばれ振り返ると、そこには懐かしい顔が並んでいた。

リリアーヌ

ティナ!久し振りね! カイトとカルマも無事だったのね、良かった・・・

ティナは私と同じ年の女の子。少し強気な所もあるけれど、頼れるお姉さん的存在。

カイトは私達の1つ上で真面目でしっかり者のお兄さん。

カルマは普段は無口だけど、2つ年上ということもあって落ち着きがあり頼りになる。

しばらく談笑していると、廊下を慌ただしく駆けてくる足音が響いてきた。

ユウリ

ちーっす!!!!アリア隊ユウリ参上!!

マルビス

ふざけてないでさっさと入れ・・・

ユウリはよく言えばムードメーカー、悪く言えばお調子者。この中では一番年下でいつもみんなをからかっていた。
緊急招集にも関わらずマイペースなユウリに隊長も呆れ顔だ。

ユウリ

へいへーい、おっ、みんな居るじゃねーか!!

カイト

ユウリ、お前相変わらず落ち着きが無いな・・・

ユウリ

なんだよカイトー、つれないなぁ。すました顔しやがってこのイケメンがー!!

カイト

それは褒めているのかけなしているのかどっちなんだ・・?

カルマ

おい、隊長の話が始まる。静かにしろ。

カイトにもたれかかってユウリが頬を膨らませていると、カルマは冷たい口調で咎めた。

ユウリ

うわ、出たよカルマの説教!つかお前暗過ぎ!!前髪切ろよ、顔見えねーし。
 右目だけ出してるとか中二病かよー!

ティナ

ちょっとユウリ、いい加減にしなさいよ。

ユウリ

なんだよツンデレティナちゃん。

ティナ

なんですって!?ユウリのおバカ!

ユウリ

だって今時そんな髪型・・ツインテールっていうんだっけ?

ティナ

髪型は性格に関係ないでしょ!!!

リリアーヌ

ユウリ、もうやめなよ。ティナも落ち着いて・・

ユウリのからかいに怒りだすティナを見て私はすかさず止めに入ろうとした。

マルビス

おい、いい加減静かにしないか。

ユウリ

いでっ!?!?

カイト

自業自得だな。

カルマ

あぁ。

ヘッドフォンで前髪をあげている無防備なユウリの額に隊長がデコピンをすると、
カイトとカルマは清々したという表情で頷いていた。

それにしてもこの5人が全員揃うなんて、何年振りだろうか。

元々幼馴染だった私達だが、アリアになってからバラバラに行動をしていたためこうして顔を合わせるのはとても新鮮な気分だ。

懐かしさに今までの不安な気持ちが少し和らいでいく気がした。

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