…俺は目の前の光景を受け入れたくなかった。
先程まで…元気に飛んでいた白い鳥は無惨な姿に変わっていた光景を…。
…っ!!
…俺は目の前の光景を受け入れたくなかった。
先程まで…元気に飛んでいた白い鳥は無惨な姿に変わっていた光景を…。
俺は…後退りした。
…貴様か。俺様の大事な宝物を取ろうとしている人間は…。
…生き物が喋る…もう驚かない。
だが…俺はこの黒い鳥を見て思った。
…やらなきゃ…やられる。
俺は手元を見た…。
まず…゛血が付着しているナイフ゛。
…今使えそうな武器はこれしかない。
…ホープに武器を出してもらおうと思ったが…伝える方法がわからなかった。
…ああ、そのナイフ。
以前来た人間が使用していた…。
黒い鳥は不気味な笑みを浮かべた。
…結局最後…自害したがな。
…自害した…。
…自害。
自ら命を絶ったわけか…。
…正直、俺も自ら命を絶とうと考えていた。
毎日毎日…あんな生活を送るとなるとノイローゼになるからだ。
…お前も自ら命を絶つか?
黒い鳥は不気味な笑みを浮かべた。
………だろ。
…は?
そんなわけねえだろ!!
俺は怒鳴り声を上げた。
だって…
…ここで”負け”たら、俺の人生…何も残らないから。
俺はそう言い、あの薬を飲んだ。
…っ!!
…眩暈に動悸が…!!
…っ!?眩し…。
…
…何が起こったんだ?
俺は辺りを見回す…。
くっ…前が見えない…!
…どうやら黒い鳥は、今は何も見えないようだ。
…それにしても俺の身に何か起こったのか?
あっ…!!
俺は本と手鏡を見つけた。
…さっきあったか?
俺はまず…本を手にした。
本のページをめくる…。
…どうやらそこに書かれていたのは
…なんで俺の名前が。
…っ!!
…今度は目の前が黒い霧の中へと包まれた。
”NO.01 鈴宮 蘇歌 様の魔法
呪文
我が敵とする者
ここに我が印の
魔法を与えよ
この呪文は誰にも教えてはならない
…。
…本のページに書かれていた呪文が耳元で囁かれた。
…そして、その本はどこかへと消えてしまった。
…”この呪文は誰にも教えてはならない”。
これさえ守っていれば大丈夫そうだ…。
俺は気を取り直して…鏡を見た。
…まあ、いつも通りの平凡な俺が写るだけだろうけれど
…ってえええええっ!?
…なんだこの格好はあああ!?
俺はまるで”乙姫様”の格好をしていた…。
…ど、どうしてこんな…はっ!!
…答えは簡単だった。
間違いなく副作用だ…。
…うーん、やっと目の前が見えるように…。
…嫌なタイミングで黒い鳥は辺りが見えるようになったらしくこちらを見た。
…おまえ…。
こっち見んなあああっ!!
…俺は思わず、手鏡を黒い鳥に向けてぶん投げた。
手鏡は黒い鳥の頭へと命中した…。
ぐあああああっ!!
…うっ!
…黒い鳥は岩にぶつかりものすごい音を立て。
下にある湖へと落ちていった…。
…さてと、金の卵をいただくとするか。
…俺は見なかったことにし、金の卵を手に入れ、その場を後にした。
…おや、お帰りなさい。
お題の物は手に入れられましたか…。
…ビアンゴは俺のほうを見て唖然とした。
しかし、あえてふれなかったのか
…手に入ったみたいですね。
ミッションクリアです。
おめでとうございます…。
…と言っただけだった。
…NO.01 鈴宮 蘇歌 Mission1 クリア。
ビアンゴは…何やらパソコンみたいなのに何かを入力していた。
…悪魔界の鳥は羽で入力できるのか。
…あなたはMission1…6人中”3番目”にクリアできましたので、今日は用意された部屋に戻って休んでください。
…そう言って、ビアンゴはどこかへと去って行った。
俺もホープのもとへと向かった。
…あっ!!お帰りなさ…。
…ホープも俺の格好に唖然とした。
…あの…お疲れ様でした。
Mission1…結果3番目にクリアできて良かったです。
…おめでとうございます。
…なんかホープの視線が痛い。
…ホープも待っていてくれてありがとう。
…それと…。
おまえがあの薬瓶隠し入れてくれたんだろ?
…っ!!
…気づかれていたのですね。
…やっぱりそうだったか。
それにしても…。
…なんで、俺の副作用はこれなんだ!!
…ごめんなさい。それは…私にも理解できません。
あの薬瓶は…個々にあった副作用を与えるので…。
…個々にあった…だと…!?
俺は…乙姫にあっていると…?
…き、今日は魔王様がご用意してくださったお部屋でゆっくりお休みください。
ホープは逃げるようにその場から館へと走った。
…あっ!!待てこら!!
俺もホープの後を追いかけた。
ー続く
(Mission1 鈴宮 蘇歌編 終わり)