妖精・白沢

ぐああああああああ!!!!

細川 雄太

白沢!?

妖精・白沢

漏れる……アレが!!

細川 雄太

ん!?










妖精・白沢が苦しみ始めたと思ったら、どうやらトイレが近いだけのようだ。

白沢は慌てて教室を飛び出し、近くのトイレに駆け込んだ。









河合 百合乃

はあ……はあ……、お、終わりました









そして、何やら唱えていたこの娘も仕事を終えたようだ。

とりあえず、あれだけ早口で喋っていたのに、一度も舌を噛まなかったことに敬意を表したい。

ありがとう、不思議ちゃん。

何も起こってはいないけど、なんか元気をもらいました。









河合 百合乃

どうですか……、調子は!?

細川 雄太

あ、うん! だいぶ楽になった気がするよ!

河合 百合乃

それはよかった!

細川 雄太

ほんとありがとな! では今日はこれで……

河合 百合乃

じゃあお礼はいらないので、部員になってください!

細川 雄太

……

河合 百合乃

……

細川 雄太

あ、え?










なん……だと……。

何を言っているんだ、この天然不思議系を装った鬼畜悪魔ちゃんは。

調子乗り子ちゃんかよ。

もう俺はこの娘から逃げられないのだろうか。










細川 雄太

あの、何をおっしゃっているのでしょうか、百合乃さん?

河合 百合乃

実はこの部活……、人数が少な過ぎて廃部寸前なんです

細川 雄太

少ないというか君1人でしょ?

河合 百合乃

いえ、私含めて3人いますよ!

細川 雄太

あーそうなの……

河合 百合乃

このままじゃ、オルタナティ部と合併しないといけなくなりますので

細川 雄太

ちょっと気になるその部活

河合 百合乃

お願いします! 4人になれば正式な『部』として活動出来るのです。是非とも心霊現象を体験した雄太さんにメンバーに加わってほしいんです!

細川 雄太

ん……










困った。

本当に困った。

これは入ってあげないと、後味が悪くなるやつだ。

どうする俺。











妖精・白沢

いいんじゃね?

細川 雄太

うわ! びっくりした!!

河合 百合乃

ん?

細川 雄太

あ、ごめん独り言!

妖精・白沢

入ってあげなよオカルト部、どーせ暇だろ?

細川 雄太

しょうがないか……

河合 百合乃

え!?

細川 雄太

入部させていただきます、オカルト部

河合 百合乃

ほ、ほんとに!? ありがとうございます!

細川 雄太

お役に立てるか分かりませんが?

河合 百合乃

全然大丈夫です! それにしてもよかったあ!

妖精・白沢

見ろよあんなに喜んで、可愛いじゃねえか

細川 雄太

確かに

妖精・白沢

相手に喜ばれるって良いもんだろ?

細川 雄太

不安だらけだけどな

河合 百合乃

明日また放課後来てください! メンバーを紹介しますから!

細川 雄太

わかったよ










こうして俺、細川雄太はオカルト部に正式に入部が決まった。

妖精に出会ったり、美女に部活の勧誘されたりと、ここ最近俺の周りで大きな変化が起きている。

まあ、もともと帰宅部だし、暇だからいいんだけど。

でもこれで木葉と会う機会も、また減ってしまうのだろうか。

いつかは、『自分の言葉で告白を』と胸に強く誓った俺は、このオカルト部で己自身を鍛えてみようと思った。

実際に何をする部活なのか、まだはっきりとしていないけども。









第八話『入部』 終






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