この俺、細川雄太はよくヒーローごっこをしていた。
小学生時代の俺はとても活発的な子供で、よく近所の友達を巻き込んで危険な事もしていたっけ。
そんな自分が大好きだった特撮ヒーロー、俺は、そんな特別な人間になりたくて、『ヒーローごっこ』こそが彼らに近づくための近道だと思っていたのかもしれない。
いや、元々自分は特別な人間だと思っていたんだ。
そんな俺はある日……
この俺、細川雄太はよくヒーローごっこをしていた。
小学生時代の俺はとても活発的な子供で、よく近所の友達を巻き込んで危険な事もしていたっけ。
そんな自分が大好きだった特撮ヒーロー、俺は、そんな特別な人間になりたくて、『ヒーローごっこ』こそが彼らに近づくための近道だと思っていたのかもしれない。
いや、元々自分は特別な人間だと思っていたんだ。
そんな俺はある日……
普通の人間になった。
なぜかって。
それは……
『恋』をしたからだ。
相手は歳が一つ上の幼なじみ、金藤木葉。
当時は控え目な子だったが、ヒーローごっこには毎回参加してくれていた彼女に、俺は徐々に心惹かれていったのだ。
それ以降、俺は彼女の目を気にするあまり、性格も内気になってゆき、今現在に至る。
彼女との関係が壊れるのが嫌で、まともに告白すらできない、ほんと……ダメダメだよ、俺は。
俺は特別じゃなかったのか?
ようこそ、オカルト研究会へ!
歓迎しますよ雄太さん!
いやいやいや、俺帰りますから!
な、なんでそんなこと言うんですか!? せめてお茶だけでも飲んでいってください!
いや、オカルトって……
はい、先日の雄太さんが魅せたスーパージャンプ! あれは間違いなくオカルトの類いだと思いました!
まあ間違ってはないけど……
あれだけ高く跳べばな……
オカルトとは、例えば幽霊や妖怪等の事を指すことだと思う。
おそらく、この妖精もオカルトの枠に入るのだろう。
救いなのは、この不思議系少女に白沢は見えていないようなので、なんとか誤魔化すことができそうだ。
可能性としては、霊が取り憑いていることが高いと考えられます!
あ、ああ……そうだね、そういえば最近肩が重い気もするなぁー
やっぱり! 間違いありません! すぐに除霊の準備をします!
あ、そういうのするの……?
しかしこれで除霊後に、『体が軽くなった!』などと言えば解放してもらえそうだ。
正直、この娘と一緒にいると何らかのトラブルに巻き込まれそうな気がする、いや、間違いない。
ここは慎重にいかねば。
では、この六芒星の真ん中に座ってください!
教室の地面に、マジックで紋章のような、または図形のような絵が描かれていた。
その絵の真ん中に座れと言うのだ。
これ、後で消すの?
はい
へー、大変だね
そうでもないです
しかし楽しみだなぁー
ちょっと黙っててください! 気が散りますので!
はい……
やーい怒られてやんの!
あとで覚えてろよ……
え? 何か言いました!?
あ、なんでもないです!
準備が終わると、百合乃は訳の分からない呪文を唱え始めた。
てかこのくだり、前にもあったような……?
タンポポ、タンポポ、タンポポ、タンポポ、タンポポ、タンポポ、タンポポ……
なんなのもう……
ポポタン、ポポタン、ポポタン、ポポタン、ポポタン、ポポタン……
逆さになったな
もう訳分からん……
ん!?
どうした白沢!?
うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!
ポッポポ、ポッポポ、ポッポポ、ポッポポ、ポッポポ、ポッポポ……
白沢!?
第七話『変化』 終