次の日の土曜日。
坂東川の改札口で飯塚さん達と待ち合わせていた。
現在僕が通う学校、そして僕の住む家があるのはS市光明寺であり、坂東川駅はその最寄駅から三駅離れたところにある。
光明寺駅周辺はのんびりとした印象だ。
お客のおばちゃんと店主がバカ笑いしているお肉屋。
3パック買うと2割引の特典を猛烈アピールしているオッサンの惣菜屋。
猫だらけの手芸店。
生活感を感じるどこかのんびりとした商店街が目の前にあった。
対する坂東川は、高いビルが立ち並ぶオフィス街であることが電車の窓からも伺えた。
駅前は、前方もしくはやや斜め下を直視しながら早歩きしている人間でごった返していた。
しばらくして美術部の男子が二人一緒にやってきた。
確か、名前は加藤君と東川君だったか。
遅れること十五分、部長の飯塚さんが満面の笑顔で駅のホームに現れた。
そういえば僕はここに越してきて……
いや、高校生になって学校の友達と休日を過ごしたことがあっただろうか。
この場に集まった彼らの私服姿と斜め上から照らす日光。
休日を過ごしてるなぁと思わず感慨にふけってしまう。
ふと、他の人たちはどのような休日を過ごしているのだろうと考えた。
アキオ君たちは今時の高校生らしく遊んでるのかな。
山根さんはどうだろう。